最強の目
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「面白い。君はどうやら、通常の刀使とは違うようだが……果たして、私の目に付いてこれるかな?」
「……貴方の剣、とても冷たいね」
「ふん」
両者の間に走る沈黙。可奈美の祭祀礼装の装飾品だけが、小さな音を奏でていた。
打ち合うごとに、可奈美の顔からは笑顔が消えていく。
祭祀礼装。かつて、最強のサーヴァントから引き継いだ力にして、ヤマタノオロチ本体を倒し、ハルトを本当の意味で救った力。
だがそれは、今この市長の前にはあまりにも無力。
魔力もない、ただの人間。それが、刀使を、マスターを、サーヴァントを、ミラーモンスターを、祭祀礼装を圧倒している。
「っ!」
祭祀礼装の動きは、常に音を超える。刀使が限界を超えた速度が、この形態の通常の速度なのだ。人間の肉眼ならば、捉えることはまず不可能。
それなのに、市長のサーベルは、的確に可奈美の体を貫いていく。
「ぐああっ!」
痛みに悲鳴を上げる可奈美。祭祀礼装は打ち消えていくが、すぐにその体には白い光が補充されていく。
「ふむ。まだまだ耐えられるということか」
一時的に欠落した体も、写シを張り直せば元に戻る。だが、倒れた可奈美の祭祀礼装の体を、市長は強く踏みつけた。
「がはっ!」
もう、逃げられない。
足と地面に挟まれて固定された可奈美は、もう頭上の市長を見上げることしかできなかった。
「さて……これからひたすら君を切り殺すが……君はあと何回で死ぬのかな?」
そしてそこから。
気を失いかけている友奈の耳には、可奈美の悲鳴が延々と刻まれていった。
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