暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
片恋 -あいしている-
[12/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
らない。
なので山本は残った片腕をがむしゃらに振り回し、どこかにいるだろうランスロットを捕まえようとする。
そうしている際にも、また袋を破り、中身の米粉が次々に舞い上がりさらに視界は悪くなる始末。
それになにより、
「ここだよ。」
ランスロットはそこにはいない。
「!!」
舞い上がる粉の中、かろうじて見えたのはちょうど列車の連結部に立つランスロット。
「じゃあね!!迷惑客はここで降りてもらう!!」
手を伸ばす山本。
しかしそれよりも先にランスロットは真下、連結部を思い切り殴りつけた。
「!!」
ガチャンという連結部が破壊された音。
離れていく車両。
切り離されてしまった。
列車が、ランスロットが、愛する大和がどんどん離れていく。
「貴様ァァァァァァァァ!!!!!」
俺と大和の仲を引き裂く、ムカつくクソガキ。
そんなクソガキに一矢報いるべく、車両へ戻ろうと壊れている背中のバックパックを点火。
バチバチと火花が散りつつも、なんとか機能は生きていた。
しかし、それがいけなかった。
前述したが、山本が暴れたせいでその車両には粉が舞い上がっている。
これの目的は、視界を遮るためのものでは無い。
「なっ…!?」
ヤツを倒すためのもの。火器を用いた際の罠である。
瞬間、山本の視界は強烈な光に包まれ、切り離された車両ごと大爆発を起こした。
「…。」
「あれは…!!」
遅れてやってきた2人、
黒煙立ち上る車両を見て唖然としていた。
「粉塵爆発だよ。」
「…!」
そうして最後にやってきた悠里が説明を始める。
「後ろの方に大量に米粉が積んであるのを思い出してな。あのロボットを倒しきるにはそれが一番かと思ったんだ。」
「なるほど…。」
大量にまかれた米粉。
それらはブースター点火の際引火し、爆発したのだ。
「ふふん。あの一瞬でマスターの意図を読み取ったんだ。これはもう相思相愛の仲だからできる事だよね。」
「あーはいはい。」
そうして、ランスロットは誇らしげに胸を張り、悠里も満更でもなさそうに頭を撫でる。
しかし、
「戦いが終わってこういうことを聞くのもなんだが…。」
「?」
「足りるのか?飯は。」
「……。」
悠里のランスロットを撫でる手が止まる。
「朝食は…平気だ。もう昨日の晩に仕込んだから、リクエスト通りうどんは食べられる。食べられるとも。」
「昼は?」
「……。」
ランスロットの頭に置かれていた手が、己の頭に移動する。
難しい顔。これは完全にやっちまった≠ニいう顔だ。
「ど、どっかで止まって補給とかあるんじゃないか?」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ