暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
片恋 -あいしている-
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らない。
なので山本は残った片腕をがむしゃらに振り回し、どこかにいるだろうランスロットを捕まえようとする。
そうしている際にも、また袋を破り、中身の米粉が次々に舞い上がりさらに視界は悪くなる始末。

それになにより、

「ここだよ。」

ランスロットはそこにはいない。


「!!」

舞い上がる粉の中、かろうじて見えたのはちょうど列車の連結部に立つランスロット。

「じゃあね!!迷惑客はここで降りてもらう!!」

手を伸ばす山本。
しかしそれよりも先にランスロットは真下、連結部を思い切り殴りつけた。

「!!」

ガチャンという連結部が破壊された音。
離れていく車両。
切り離されてしまった。
列車が、ランスロットが、愛する大和がどんどん離れていく。

「貴様ァァァァァァァァ!!!!!」

俺と大和の仲を引き裂く、ムカつくクソガキ。
そんなクソガキに一矢報いるべく、車両へ戻ろうと壊れている背中のバックパックを点火。
バチバチと火花が散りつつも、なんとか機能は生きていた。

しかし、それがいけなかった。

前述したが、山本が暴れたせいでその車両には粉が舞い上がっている。

これの目的は、視界を遮るためのものでは無い。

「なっ…!?」

ヤツを倒すためのもの。火器を用いた際の罠である。

瞬間、山本の視界は強烈な光に包まれ、切り離された車両ごと大爆発を起こした。


「…。」




「あれは…!!」

遅れてやってきた2人、
黒煙立ち上る車両を見て唖然としていた。


「粉塵爆発だよ。」
「…!」

そうして最後にやってきた悠里が説明を始める。

「後ろの方に大量に米粉が積んであるのを思い出してな。あのロボットを倒しきるにはそれが一番かと思ったんだ。」
「なるほど…。」

大量にまかれた米粉。
それらはブースター点火の際引火し、爆発したのだ。

「ふふん。あの一瞬でマスターの意図を読み取ったんだ。これはもう相思相愛の仲だからできる事だよね。」
「あーはいはい。」

そうして、ランスロットは誇らしげに胸を張り、悠里も満更でもなさそうに頭を撫でる。

しかし、

「戦いが終わってこういうことを聞くのもなんだが…。」
「?」
「足りるのか?飯は。」
「……。」

悠里のランスロットを撫でる手が止まる。

「朝食は…平気だ。もう昨日の晩に仕込んだから、リクエスト通りうどんは食べられる。食べられるとも。」
「昼は?」
「……。」

ランスロットの頭に置かれていた手が、己の頭に移動する。

難しい顔。これは完全にやっちまった≠ニいう顔だ。

「ど、どっかで止まって補給とかあるんじゃないか?」

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