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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
片恋 -あいしている-
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この電車を降り、エインヘリアルはほぼ目と鼻の先だろう。
だが、
葛城財団
(
やつら
)
が何をしてくるかは分からないのだ。
下手をすれば、もう電車に乗っていることはバレていて、到着する駅で万全の準備を整えて待ち構えていたりする可能性もゼロじゃない。
最悪、線路を爆破して足止めするなんてことも…。
「大丈夫よ。」
そうして不安が胸中を行き交っていると、武蔵が肩に手を置く。
「現にこうしてバレてないのだし、それに乗組員やお客さんにも財団の人間はいないって堂本くんや柏原さんが証明済みでしょ?」
「まぁ…そうだが。」
「それに、あの執念の塊みたいな山本も死んじゃったんだし。」
「…だな。」
あいつなら、電車を止めてまで自分達を捕らえに来るだろう。
そう思い、彼は死んだのだから心配は無用かと小さくため息を吐く。
「あぁ、山本な。すごいヤバかったんだろ?」
そうして、山本については先程の旅の話でしているので悠里が反応する。
「元お勤め先のブラック上司がどこまでも付いてくるなんて、たまったもんじゃないだろ。」
「あぁ、たまったもんじゃなかった。」
過去を思い出す。
ランスロットのマスターの置鮎同様しつこく付け回してきた男、山本。
置鮎が武蔵目当てなら山本は自分目当てだった。
捕まえて矯正してやるだとかなんとか言っていたが、もう既に過ぎた事だし、何より奴は死んだ。
「そういう奴はめんどくさいな…ランスロットはどうだ?」
「それ、私に聞く?僕が剣を振るう価値がある相手なの?」
「さぁな。でも、きちんと始末つけとかないと、化けて出てくるかもな?」
その返答にうげぇとばかりに顔をしかめながら立ち上がるランスロット。
「もうお話はいいや、マスター、先に行っておくね?」
「行くってどこにだよ?」
「もう、それ言わせる気?今日こそは私≠オトしてみせなよ?」
そういいながら可愛らしいウインクして部屋の扉を開けたランスロット。
その背後から、悠理が座ったまま「今日はやらねぇよ!」などと叫んでいたが聞く耳を持っていなさそうだった。
●
翌朝。
俺達を起こしたのは目覚まし時計
ではなく
「起きろ大和!!」
「…!!」
かなり慌てた様子の悠里の声だった。
「何があった?」
「窓だ窓!窓見ろ!」
そう言われ、俺と同時に飛び起きた武蔵が窓に目をやる。
「嘘でしょ…。」
呆れたような脱力するような、力無いため息を吐いた。
続けて俺も確認する。
「…。」
ため息を吐いた理由がわかった。
「嫌な予感程よく当たるとは言うが…。」
窓の外に見えるのは複数台の装甲車。
それらが
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