第九十二話 最上階その七
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「外の世界に戻りますか」
「そうなる、塔の門の前にだ」
「出て」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「戻る」
「そうですか」
「だからな」
それでというのだ。
「安心してだ」
「都に戻ってええですか」
「ここにいた時間は途方もなく長かったが」
それこそ何年もあったがというのだ。
「しかし外の世界では一月程だ」
「短いですね」
「そうだ、だからな」
「時間のことも安心して」
「戻るのだ、この塔はただ高く様々な神霊が集うだけではない」
「時の流れもですね」
「外の流れと違う、お主達が知っていた通りにな」
まさにというのだ。
「そうであってな」
「時間的にも安心して戻れますね」
「そうだ、ではこれよりだ」
「新たな神具を授けてくれますか」
「そうする、いいな」
「宜しくお願いします」
トウェインは微笑み確かな声で応えた。
「これから」
「では儀式を行う」
素戔嗚尊は言った、見れば十人の周りにいるあらゆる神界の神霊達は既に身構えている感じである。
「これよりな」
「新たな神具を授けてくれる」
「それを行う、いいな」
「はい」
トウェインは一言で答えた、他の者達も頷いてそうした。
「ほな」
「ではだ」
「これからですね」
「授けよう」
「お願いします」
神霊達は十人に対してそれぞれ光を放った、彼等は全身にその光を受けてだった。
それぞれ一つずつ新たな神具を授かった、その神具を見てだった。
アレンカールは唸ってだ、こう言った。
「とても熱くて。心を感じます」
「神具のだな」
「はい、この神具もですね」
「主達の力となる」
「そうですね」
「これまでの冒険で成長し」
そうなってというのだ。
「新たな神具を得た、これでだ」
「これまでより遥かにですね」
「強くなった、これでだ」
「あたい達はこの世界を救うだけの力を手に入れましたね」
「そうだ、しかしだ」
素戔嗚尊は笑ってこうも言った。
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