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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
深き蒼
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……!」

 こんな中で同じ位置に射撃なんて出来ない!
 特に元々両手持ち用の『イヤロ』はただでさえ命中率が下がるって言うのにこんなのじゃ福音にさえ当たらない! 

―警告! 敵IS急速接近!―

 それに気づいた時には…目の前に……福音がいた………

「え――?」

 考える間もなく、『イヤロ』を両手で掴まれた。こちらが何かする前に福音が右膝を叩き込むことで中央から『イヤロ』が折られる!
 咄嗟に左手の『レイ・スティング』を構えた。福音の頭部に狙いをつけるまでに0,2秒、引き金を引くのに0,1秒。トリガーを引くまで0,3秒というその短い間に、福音はその銃身を右手で払った!

「は……」

 早すぎる!
 左手を弾かれたことで無防備になった私の首を、福音の空いた左手に掴まれた。

「が……!」

 そして今更ながらに気づく……あの爆撃は私への攻撃じゃなくて水の中で自身を加速させるためにわざと……!

 その考えに至ったときに、私は首を掴まれたまま福音に海面へと引っ張り上げられた。

「カルラ!」

「ぐ……が…!」

 箒さんの声が聞こえる。
 喉を締め付けられて声が出ない。
 酸素を求めて口がパクパクと開くのを感じる。

「こ……の……」

 ダメ元でも左手の『レイ・スティング』を福音にほぼ零距離で叩き込む。
 その攻撃を、福音は大して気にする様子もなくその銃弾を身に受けながら『レイ・スティング』を私の手から弾き飛ばして無効化される。
 そしてそれを見てからエネルギー状に変化した『銀の鐘』が私を包んでいく。

 これは…ラウラさんの時と同じ零距離攻撃……!

「カルラを離せぇ!」 

 箒さんが福音に向かって滑空してくる。

「あ……だ…」

 ダメと、逃げてと言おうとしているのに声が出ない。エネルギーの切れてる箒さんではどうあっても勝てない。分かっているのに……分かっているはずなのに箒さんは福音に向かっていく。
 福音はそれをあざ笑うかのように少し動いただけでその滑空を避け、お返しとばかりに右足の蹴りで箒さんを吹き飛ばして海に叩き込んだ。

「舐め……」

 るな!
 両手の拳を福音の左手首を挟むように叩き込む。当然そんなことで福音が手を離すわけも無い。
 でもこの距離なら『マルゴル』は効く!

 両手の手甲の上部が開いて『マルゴル』が火を噴いた。流石に零距離のショットガンには掴んでいた手が衝撃に耐えられ無かったようで福音が私から手を離す。
 その瞬間に私は再び海中へと潜り込んだ。深度50mまで潜って態勢を立て直す。
 でも武装が……

―『ディアス』損失、『マーレイ』残弾0、『レイ・スティング』損失、『エインガナ』損壊、『イヤロ』損失
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