暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第231話:並び立つ美女と野獣
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してか、メデューサは顎したの汗を拭うような仕草を見せる。実際には仮面で覆われている為汗を拭う事など出来ないのだが、そんな事も忘れるほど彼女は威圧され圧倒されていた。

――マズイ……流石にこの戦力でこの2人を相手にするのは……!? せめてベルゼバブかグレムリンと合流しなければ!――

 早々に撤退を選択し、隙を見て逃げ出す算段を整えようとしたメデューサ。だがハンスは動物的直感で彼女が逃げようとしている事に気付くと、そうはさせまいとファルコマントを装着し素早く接近した。

「逃がすかッ!」
〈ファルコ! ゴーッ! ファッ ファッ ファッ ファルコ!〉

 右肩に燈色のマントを装着したハンスは、床の上を滑る様に滑空して一気にメデューサに接近すると彼女を串刺しにするようにダイスサーベルを突き出した。迫る細い刃を、メデューサは左手のスクラッチネイルで弾き右手に持って杖を彼に叩き付けようとする。

「チッ、邪魔ッ!」
「おっと!」

 メデューサからの反撃を、ハンスは文字通り舞うようにひらりと回避するとそのまま空中で回し蹴りを放ち蹴り飛ばす。

「ぐぅっ!?」
「オラオラァッ!」

 その後もハンスからの猛攻は留まる事を知らず、それまで眠っていたとは思えないような激しい攻撃に幹部である筈のメデューサも終始圧倒されていた。
 魔法を使う間も与えられない程の猛攻に、メデューサは周囲の部下を彼にぶつけることで対処しようとした。

「何してるの、早く助けなさいッ!」

 なかなか手出しする隙が無かったが故に攻撃に加われなかったメイジ達も、メデューサの一喝にやっと動き出す。それぞれがライドスクレイパーを構えたり魔法を使おうとしたのを見て、ハンスは仮面の奥でほくそ笑み彼らを嘲った。

「俺1人を気にしてていいのかい?」
「何?……! しまった!?」

 気付いた時にはもう遅かった。ハンスがメデューサ達の相手をしている間に、キャロルは攻撃の準備を整えていたのだ。

 見るとキャロルはガリィを抱えているのとは逆の手を頭上にあげ、そこには妖しく光る巨大な球体が作られている。あれをこれからどうするつもりかなど、子供であっても簡単に予想出来た。

「離れろハンスッ!」

 キャロルの声を合図にハンスが低空飛行で滑空しながらメデューサ達から離れた。それなりのスペースがあるとは言え、あまり広いとは言い切れない屋内でハンスが態々機動力重視のファルコマントを選んだ理由は、素早く接近するのと同時に即座に離脱する事も考えての事だったのである。その事に今更ながら気づかされたメデューサは、キャロルが手を振り下ろす前に右手の指輪を付け替えようとした。

「遅いッ!」
「くっ!?」

 だがメデューサが魔法を使うよりもキャロルが攻
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