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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第231話:並び立つ美女と野獣
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ーの様にキャロルに魔力を供給して錬金術を使う事が出来るようになったのである。ハンスの魔力は休めば時間の経過で回復する。つまり、今後2人は命も想い出も削る必要が無くなったのだ。
ますますアリスに対して頭が上がらなくなった事を実感して、ハンスは大きく溜め息を吐いた。
「はぁぁ〜〜……ったく、ウィザードと言いどいつもこいつもお人好しが過ぎて困るぜ」
『そう言う割には満更でもなさそうだな?』
「うるせえ。……おい、キマイラ」
『何だ?』
「キャロルを守る為に……またお前の力、使わせてもらうぜ」
『良かろう。付き合ってやる。精々ワシを飽きさせるなよ』
キマイラはその言葉を最後に大きく咆哮を上げると、そのままハンスの中へと飛び込んでいった。
深層意識の中でキマイラがハンスの中に飛び込んだと同時に、現実世界ではハンスが再びビーストへの変身を完了していた。並び立ったハンスとキャロルは、お互いに頷き合うとハンスはダイスサーベル、キャロルは指先から伸ばした極細の糸を振るいながらメデューサ達へと向かっていく。
自分達に近付いて来る2人の姿に、メデューサは思わず部下を押しやる様に後退ってしまった。プライドの高い彼女が堪らず後退ってしまう程、今の2人から放たれるプレッシャーは大きかったのだ。
メデューサ達に近付く最中、キャロルは糸を伸ばすと壁に磔にされたガリィを回収した。腹に突き刺さったライドスクレイパーを切り刻み、ガリィのボロボロになった躯体を優しく引き寄せ抱き上げる。大人の女性の姿になったキャロルの中で、今度は抱き上げられたキャロルはうんともすんとも言わなかった。
「キャロル、ガリィは?」
「……”奇跡”的に、コアが破損した訳ではなさそうだ。純粋に想い出が切れたようだ。これならすぐに直せる」
「奇跡……ね」
「フン……」
奇跡を憎み、奇跡を殺すと公言しておきながら、奇跡により従者を救われた。その皮肉にキャロルはふてくされた様に鼻を鳴らし、ハンスは口元を手で隠し笑いを堪えた。今この時ほど、彼は奇跡を痛快に感じた事は無かった。
案外、奇跡も悪いものではないのかもしれない。キャロルの前では決して言葉に出す事はしないが、ハンスは胸の内でそんな事を考えつつダイスサーベルを手の中で弄びながらメデューサに話し掛けた。
「よぉ、魔法使い。今までよくも好き勝手やってくれたな? 特にキャロルを傷付けようとした事…………お前ら覚悟できてんだろうな?」
ハンスは静かに怒っていた。自分がダシにされた事はまだいい。だがどんな理由があろうと、彼の前でキャロルを傷付けようとした事は相手が何であれ万死に値する行為であった。彼の中で、ジェネシスは1人残らず始末する事が決定していた。
彼の怒りを察
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