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第四十一話 特殊魔法の存在
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ヴヘイム・オンラインの決まりだが、強化魔法を使えばそれに魔法攻撃を付与することができる。例えば、片手剣を持つものが闇属性10割の強化魔法を使用したとすると、通常の片手剣で行った攻撃に加え、その攻撃力から算出された物理属性が闇属性に変換され、その10割分が攻撃に上乗せされる。つまり、相手に与えるダメージは―――攻撃速度、ヒット位置、スキルから算出された物理ダメージ+そのダメージを魔法属性に置き換えた属性ダメージとなるわけだ。だが、残念ながら魔法にはこの効果は付加されない」

「されたらチートってレベルじゃ済まないだろ・・・」

「まったくだ。最後に、同属性魔法の詠唱短縮だが・・・例えば、闇10割の強化魔法を使って、闇属性の魔法を行おうとすると、その詠唱は短縮される。その短縮率は10割の強化魔法を使っているため、10割短縮・・・というか破棄される。その際には、通常では言わなくてもいい魔法名を言う必要がある」

「はい、センセー・・・質問がありまーす」

「はい、ソレイユ君!」

その場のノリなのか、ふざけているソレイユとそのノリに合わせるルシフェル。結構相性がいい二人である。

「複合魔法の際はどうなるんだ?」

「それも例えを使って見てみると・・・火3割、闇7割の強化魔法があるとしよう。その強化魔法を用いて闇属性の魔法を使おうとする場合、7割分しかカットされない。したがって、残り3割分の詠唱は必要となってくるわけだ」

「その際のスペルワードは?」

「それもウインドウで見れば確認が取れることになってる。最後に付け加えるが、強化魔法を使っている最中は常にMPを消費するから気を付けろよ。途中でキャンセルはできないからな。それから、当然のごとく強化される対象は自分のみだ。以上が魔法についての特別講義だ。何か質問はあるか?」

「なら、一つだけ・・・その魔法を習得するにはどうしたらいい?」

ソレイユの質問にルシフェルは一瞬だけ表情を硬くしたが、すぐにいつもの表情へと戻り首をかしげた。

「・・・さぁ、な。それは俺にもわからん」

「わからんって・・・あんた使ってたじゃないか」

「気が付いたらいつの間にかあったんだよ」

「・・・ふぅーん。まぁ、いいや」

嘘だとわかりながらも、特に深く聞くことはソレイユはしなかった。
それから二人はウンディーネ領が近くにある湿地地帯である程度Mobを狩ったり、時々襲ってくるウンディーネのプレイヤーを蹴散らすなどしていた。その際、インプ領主であるルシフェル中心に狙われていたことから

「領主だからって狙われすぎじゃね?」

「俺はモテるんだよ」

「なら本気でも見せてやれよ」

「おいおい、そんなことしちまったら世の中の俺のファンが卒倒しちまう
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