第33話:真実との遭遇
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んperspective
この様な大規模な戦場で爆裂魔法を好きなだけ放てるとは……アークウィザード冥利に尽きます!
ただ、セツナのセインを見る目は恐ろし気でした。
「セツナ……」
だが、セインがやってきた事を考えれば、セツナが怒りを抱いて現れるのは至極当然じゃないだろうか。
「あのデナスが……勇者である僕ですらまともに一撃も入れられなかったのに。何度も何度も戦い、さっきようやく傷をつけられたんだ。なのに……」
セインがふらりと立ち上がる。
剣は未だ右手に握られたままだ。
左手で口の端から垂れていた血を拭う。
その目は味方に向ける生暖かいものではない……殺気が籠もっていた。
「そうか、判ったぞ!」
「何が?」
「とぼけるなサムライ!何度も何度も何度も、僕の邪魔をしやがって!」
瞬きもしない大きく見開いた目に、狂気の様なものを感じた。興奮した様子で声を荒げる姿に、ノノに慕われた頃のセインは見えない。
いや、これがこいつの本性だったのだ。
優しく頼れるリーダーを演じていただけ。どんな時も仮面の下には醜い顔があったんだ。
仲間らしき2人の女性は沈黙している。
「ネイとソアラから事情は聞いている。お前が誘惑の魔眼所持者だって事もな」
「あの2人と、会ったのか!?」
その先の説明は気が引けますが……
「ネイなら……ツキツバが殺しました。あのまま……無気力な状態のまま自殺するより、誉高い戦死を与えた―――」
その時、セインの目が鋭く光りました。
「殺しただと?殺しただとぉー♪」
……つくづく馬鹿な男です。
「その先は……言わない方が得策です」
「無駄だ!そんな事を言っても―――」
本当に馬鹿な様です……今日までセインを信じたノノの気持ちも知らないで……
「そしたら、誘惑の魔眼の事も公僕に言いますよ」
「くっ」
セインの顔が怒りに歪む。
まるで『どうしてお前の元にいるんだ』とでも言いたそうだ。
「なぜだ?その様な危険な力を―――」
「お前が言うな」
ユーミルの突っ込みは……セインの余計な一言のせいで、無視する事になってしまった!
「どうして?聞くまでもないだろう?欲しかったんだよ全てを!金、女、地位、名声、全てを僕は手に入れたかったんだ!そうだな、それと他人が大切なものを奪われて、泣き叫ぶ姿も見たかったかな!はははっ!」
その瞬間、どさり、と後方でノノが倒れた。
「ノノ!?」
セインの事でノノといがみ合っていたセツナが、倒れたノノを抱えておりました。
その途端、私は爆裂魔法を唱えていた。
「黒より黒く、闇より暗き漆黒に。我が深紅の金光を望み給う―――」
が、私とセインとの間に素早く入ったツキツバが、拳をおもいっきり奴の顔面にめり込ませる。
奴は吹っ飛び、無様に地面を転がった。
「目を覚ま
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