暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第230話:獅子の目覚め
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様にギチギチとした動きをしていた。これだけでも今のオートスコアラーの状態が伺えると言うものであり、そんな彼女達がジェネシスの魔法使いを相手にどれ程対抗できるか不安に思わずにはいられなかった。
その不安を煽る様に、エレベーターが大きく振動した。目的の階に止まった事による振動ではない。明らかに外部から攻撃を受けての振動であった。
「ッ! ミカちゃん!」
咄嗟にガリィがミカに警戒を促すと、ほぼ同時にエレベーターの扉をこじ開けて何者かの手が捩じ込まれてきた。キャロルを奪おうとするように伸ばされた手を、ミカは防ごうと立ち塞がる。
「ぞなもしっ!」
両手をクロスさせて防御の姿勢を取るミカ。すると伸ばされた手はそのミカの手を掴んでエレベーターの外に引き摺りだした。無理矢理ミカを外に引き摺りだそうとした影響で、扉は破壊されエレベーターも完全に停止してしまう。
「あ〜ん、もう! しっちゃかめっちゃか〜!」
予定が狂ってしまった事にガリィは溜め息を吐きながらキャロルを抱えてエレベーターを飛び出した。
そこでは無数のメイジ達に加えて、メデューサがミカの腕を掴んで押さえ付けていた。
「鬼ごっこはここまでよ」
「くっ……」
追い詰められた事にキャロルの頬を冷や汗が伝う。だがそんな彼女の不安を打ち払うように、ミカは自身の腕を掴んでいるメデューサを逆に振り回して近くのメイジを巻き込んで壁に叩き付けた。
「どりゃぁぁぁぁぁっ!」
「なっ!? うわっ!?」
破損したオートスコアラー、それも稼働の為の想い出が残り僅かだろう躯体でこれほどのパワーが発揮できたことに、メデューサは目を見開きされるがままに壁に叩き付けられる。
指揮官であったメデューサが一時的に動けなくなった事で、敵の動きに乱れが出来た。今が好機と、ガリィはキャロルを抱えてその場を走り去る。
だがミカはその後に続かない。その場に残って、残りのメイジ達の相手をするつもりだた。
「ガリィ、マスターの事は任せたゾ」
「はいはい、任せなさい」
「待て、ガリィ! ミカが、ミカは……!」
先程のレイアとファラ同様、決死の覚悟で残る事を決意したミカ。その覚悟を感じ取ったキャロルは、彼女の想いを無駄にしない為口から出掛かった言葉を飲み込み別の言葉を口にした。
「ミカッ!」
「!」
「ありがとう、ミカ。必ず……必ず迎えに来るから!」
「……ニヒッ!」
迎えに来る……必ず戻って来るからと、キャロルはそう告げてガリィに連れられて行く。それはオートスコアラーと言う人形でしかない自分を、キャロルが家族の様に考えているという何よりの証拠だった。実際、オートスコアラー達を作り出した際のキャロルの心の何処かには、失った家族の温も
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