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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第230話:獅子の目覚め
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全身ガタガタのボロボロであり、戦力差は歴然であった。
あっという間に劣勢に追い込まれ、ファラは剣を持った片腕を切断される。トドメを刺そうとするベルゼバブをレイアが妨害しようとするが、こちらも破損により満足に動けない。
奏が乱入したのは、そんな時なのであった。
***
一方、逃げ出したガリィは足元を凍らせて滑って移動しながらこの後の事を考えていた。まず何と言っても最大の目標は、キャロルを安全な所まで逃がす事にあった。その為には、自分達だけではどうにも厳しい。
何より、後ろから追い立ててくるメイジが邪魔であった。これでは逃げ道を探そうにも苦労する。今は兎に角1人でも多くの味方が必要であった。
「とは言え、どうしたもんですかねぇ」
ぼやくガリィであったが、途中キャロルがあるものを見つけてそれを指差した。
「あっ! ガリィ、止まれッ!」
「え?」
「あれだ、あれ!」
「あれは……」
そこにあったのは、本来シャトーには無い筈の通信設備であった。元々シャトーは外部との連携や通信を考慮していなかったので、こういった設備は本来存在しない。外部と何らかのやり取りをする場合は、錬金術を使えばよかったのだ。
つまりこれは後からシャトーに運び込まれたもの。恐らくは日本政府がシャトーの構造解析などをする時の為に持ち込んだのだろう。ガリィに運ばれてそれに近付けば、機材はどれも使える状態だった。
「よし、これなら……!」
記憶を失ってしまったキャロルであったが、その後にエルフナインと共に本部の作業の手伝いなどをしていた事が功を奏した。お陰でこの程度の機材の使い方なら何となく分かる。キャロルは記憶を引っ張り出しながら、機材を操作して何とか本部との通信を繋げた。
『通信ッ!? 一体何、のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』
通信が繋がったかと思ったら、スピーカーから響いたのは朔也の悲鳴であった。キャロルからは分からなかったが、本部の正面モニターにはガリィとミカの顔がドアップで映っていたのだ。突然の通信だけでも度肝を抜かれたのに、繋げれば画面に嘗て敵対していたオートスコアラーの顔が大きく映ればそりゃ驚くのは当たり前。しかも今のガリィ達の顔は、破損して罅割れて軽くホラーテイストになっているのだ。怖さも倍増である。
スピーカーから響く朔也の悲鳴に、何となく向こうでこちらがどう映っているのかを察したキャロルはカメラの前に陣取るガリィ達を退かして自分の姿を見える様にしながら話し掛けた。
「S.O.N.G.本部か? 私だ、キャロルだッ!」
『キャロルッ! 無事だったんですねッ!』
キャロルが名乗ると、通信機からはエルフナインの喜色を含んだ声が聞こえてきた。それに
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