第58話
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〜ヴェルヌ社・20F・会議室〜
「解決事務所…………公国が雇ったとかいう調査屋か。」
ヴァンから手渡された名刺を確認したタウゼントCEOはヴァンに確認した。
「まあ、そんなところです。バーゼル市で起きている諸問題について調査と対応を頼まれましてね。ああ、勿論”南”の総督閣下にも話を通して調査の許可は取っているとの事です。」
「…………余計なことを…………」
「?えっと…………」
ヴァンの説明を聞いてヴァンから視線を逸らして小声で呟いたタウゼントCEOの様子が気になったフェリは首を傾げながらタウゼントCEOに声をかけた。
「いや、なんでもない。――――――結論から言えば心配無用だ。全てはコントロール下にある。」
「ハン…………?」
「と、仰いますと?」
名刺をポケットに閉まった後答えたタウゼントCEOの説明の意味がわからなかったアーロンは眉を顰め、リゼットは続きを促した。
「まず市内の導力ネットの不安定化についてだが…………あくまで導力ネットの通信量の問題でしかないのが判明していてね。導力供給網も同様、既に現時点で対処・解決済み――――――そうだったな?」
「…………ええ、概ねですが。最大8.3%発生していた遅滞も今朝の段階で0.35%まで解消されています。」
説明をしたタウゼントCEOが隣にいる銀髪の少年に説明の続きを促すと少年は頷いて続きを説明した。
「えと…………確かに、大分減っていますね。」
「だがそれでも0.35%は発生しているわけだ。そうなると自分達が調べる余地もゼロじゃあなさそうですね?もう一つの懸念――――――見慣れぬ来訪者を見かけるという噂もあるようですし。」
2人の説明にフェリが納得している中自分達が関わる余地があることに気づいていたヴァンは口元に笑みを浮かべてタウゼントCEOに指摘した。
「ふう…………考えてもみたまえ。このバーゼルは総合技術メーカーであるヴェルヌグループの本拠地だ。関連企業は百近くに及び、それぞれが独自受注も行っている。この時期に来訪者が増えるのはごく自然なこと――――――」
一方ヴァンの指摘に対してタウゼントCEOは溜息を吐いた後若干呆れた様子で説明をし続けたが
「――――――それがスパイやら後ろ暗い連中なんかでもかよ?」
「っ…………どこで何を聞いたかは知らないが想像で話をしないで欲しいものだな。」
アーロンにある指摘をされると図星だったのか一瞬息を呑んだ後、反論をした。
「明確に否定なさらないということはまだ実態調査に至っていないのですね?それも含めて当事務所にお任せを。」
「勿論、”万が一”何か起きた場合のご相談に乗ること
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