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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二話
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が整ってから……と?」

「その通りだハル。それに日本は北部満州やを我々に譲るような情報もある。更に北部仏印からも撤退するような気配もある」

「……それでは?」

「仕方あるまいが禁止していた輸出は解禁しよう。ただし北部仏印から撤退するならだ」

 ルーズベルトはそう言った。

「火中の栗はジャップに拾わして、我々は悠然と行こうではないか」

 反日派を動かしてきたルーズベルトにしては慎重な動きだったが、それは仕方ない。何せ、伝説に近い動物がいたのだ。

 これ以後、アメリカは徐々に日本に近づきつつあった。

「門は日本の物にしてはならんッ!!」

 ベルリンの総統官邸でドイツ第三帝国のアドルフ・ヒトラーがそう叫んでいた。

「何としても日本と共同して門の利益をドイツの物にするのだッ!!」

「ですが総統。我々はイギリスと戦っており、日本に支援するのも……」

「なら日本が支援を求めてきたら支援するのだ。日本が漁夫の利をするのは余が認めんッ!!」

 戦う前から勝ち馬に乗ろうとしている日本にヒトラーは警戒するのであった。

 一方、ソ連でも同様の警戒をしていた。

「……ヤポンスキーの門は我がソビエトが管理してやろうではないか」

 クレムリンでスターリンは集まった部下達にそう言っていた。部下達はスターリンの言葉にまず無理だろうと思った。ハルヒン・ゴール紛争(ノモンハン事件)で戦ったが日本軍の野砲、速射砲、火炎瓶の攻撃で手痛い損害を与えられていたのだ。

「書記長。幸いにも我がソビエトはヤポンスキーと中立条約を結んでいます。ヤポンスキーと密かに接触して様子を伺ってみましょう」

「それは言われずとも分かっている。ならば友好的に接触しておこう。何せヤポンスキーとは中立条約を結んでいるからな」

 スターリンはそう言って日本との接触を開始するのであった。そしてイギリスも門には関心があったがドイツから自国を防衛するので精一杯(バトル・オブ・ブリテン)でありそんな余裕はなかった。

「日本に東南アジアやインドを取られればイギリスは破滅する」

 チャーチルはそう言って日本とは友好的な関係にしておくのに留めた。下手に動けばドイツが何をするか分からないのだ。

 そのためか、日本とイギリスの仲は比較的に友好であった。(元々は日英同盟を結んでいた事もあった)

 一月十五日、アメリカからの交渉に東條は了承して北部仏印からの撤退を全世界に向けて宣言した。これによりアメリカは禁止していた輸出を再開して日本は何とか首の皮が残る程度でアメリカとの開戦は避けられたのであった。








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