第三章
[8]前話
「強盗殺人をした」
「そんな奴だったんだ」
「駅や色々なところに指名手配の写真あるでしょ」
「そこにあったからな」
その顔がというのだ。
「守も何処かでって言ったのよ」
「そうだったんだ」
「相手は凶悪犯だから」
「それですぐに店を出たんだ」
「危ないからね」
「それでお店に通報してもらったんだ」
「もうこれで大丈夫だと思うけれど」
母は安堵している顔で言った。
「捕まっていればいいわね」
「そうだな」
夫も頷いて応えた。
「これでな」
「そうよね」
「そうだね、まさかお隣にそんな人がいたなんて」
息子も言った。
「思いもしなかったけれど」
「そうだな、何処かで見たと思ったら」
「指名手配犯だったなんてね」
「誰も思わないな」
「流石にね」
両親もまさにと話した。
「思いもしないわ」
「ああ、しかしな」
「これで捕まったらいいわね」
一家で切実な顔と声で話した、強盗殺人犯の傍にいるという危機を逃れた後でほっとしながらそうした。そして後日。
あるニュースを聞いてだ、雪路は忠司と守に家で話した。
「あの凶悪犯お店の通報で捕まったらしいわ」
「そうなのか」
「よかったね」
「ええ、他のお客さんも気付いて」
彼が指名手配されている凶悪犯であることをだ。
「それで私達みたいに通報して」
「逮捕されたんだな」
「そうなんだね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「もう捕まったし」
「一件落着だな」
「本当にね、けれど隣にいる人が何処かで見たと思ったら」
守はあの時のことを思い出して話した。
「まさかね」
「凶悪犯なんてな」
「指名手配の」
「世の中そんなこともあるな」
「そのことは覚えておかないとね」
両親は息子の言葉に頷いた、そうしてだった。
指名手配犯が捕まったことに笑顔になった、そうしてまたファミレスに行って一家仲よく食べたのだった。
隣にいた凶悪犯 完
2024・11・17
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