少女は平和を唄う
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私の親友は、この日常を守る為に戦った。
血を吐きながら、痛みに耐えながら、悪夢に苛まれながら、それでも彼女は戦い続けた。
命を燃やして唄ったかの日の歌は、この夜空に煌めく星のように輝いていた。
燦然と輝く星々によって彩られた夜空を撮るべく、私はシャッターを押した。
最高の写真が撮れたはずだった。誰にも文句を言わせない、世界でたった1枚しかない最高の写真を。そのはずなのに……
私の心は満たされなかった。
だって私が撮る写真には……大切な者がいない……。
「やっぱり……アンタがいないと……ダメだよ……瑠璃……!」
星になった彼女を思い、咽び泣いた。
戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星
☆☆
……ちゃん……
ふた…………と…………め…………いっ…………よ……
い……いで……お……え…………ちゃ…………!
い……だ…………おね…………ちゃ…………!
お…………ね…………ちゃ………………!
ピピピピ……!ピピピピ……!
「……はっ!」
目時まし時計のアラームが鳴る同じタイミングで目を見開く。
時計を見ると、午前の6時と表示されている。朝日が差し込む時間とはいえ、春になったばかりのこの時期の寒さには少し身体に堪える。
「今のって……」
不思議な夢を見た気分だったが、それに構っている暇はない。ベッドから起き上がって、部屋から出ると、すぐに支度を始める。
洗面所の鏡の前に立って、肩まで届きそうな黒い髪を整える。学校の制服に着替えると、今度は台所に立って調理を始める。
朝食と自分の昼食用のお弁当を作っていると、時刻は午前7時。少女は朝食を食べ終えるとすぐに片付けて、歯を磨く。それを済ませるとバックを手に家を出る。
「行ってきます」
女子高生の姿となった少女が玄関から出て門を潜る。
肩まで届きそうな短い髪、ラピスラズリを思わせる藍色の瞳、右の目尻には黒子、小柄なれどグラマラスな体型をした少女。
彼女の名は風鳴瑠璃。私立リディアン音楽院に通う高校二年生。
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桜舞う通学路。瑠璃だけでなく、瑠璃と同じ制服を着た女子達が通る。だがその一部は、瑠璃を羨望の眼差しで見ている。
同じ女子高生でありながら、どこか外国人選手のような容姿に
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