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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第18話:銃弾とヤイバ
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「あ、あれはなんなんだ!?」

『ギリギリギリギリ……!!』


―――――


遠くのビルの方にもG5……一条もその光景を確認していた。
G5のサポートのために傍らにいた夏目が出現した『ソレ』を見て叫ぶ。

「一条さん!あれは……!!」

「巨大な未確認生命体……!」

現れたのは巨大な蟻の形をした怪物……魔化魍の『オオアリ』。
硬い地面を砕き割るように現れた二体のオオアリは巨大な大アゴを歯軋りさせながら、ディケイド達へ襲い掛かる光景が目に見えた。
ディケイド達はそれれぞれの武器で応戦しているが、決定的な有効打にはならない様子。
G5はケイローンを構えて、その大きな頭部を狙って引き金を引いた。
銃弾はオオアリの頭部に直撃して一部が抉れる……だが、一瞬怯んだ程度で傷を再生させながら再びディケイド達へ蟻酸を吐きながら足の爪で襲い掛かっていく。
それを見たG5と夏目は驚く。

「そんな……G5の装備が効かないなんて!」

「あれは俺達の知っている未確認じゃない。現代兵器じゃ通じないということか」

「一条さん、私達は……!」

「諦めるにはまだ早いぞ、夏目」

自分達が知っているグロンギとは全く異なる未確認生命体に消沈しかける夏目に対し、G5の言葉が飛ぶ。
G5は援護射撃を続けながら、彼女に言い放った。

「4号が、クウガがまだ諦めずに戦っている……アイツと同じクウガが誰かの笑顔を守るために目の前で戦っている限り、俺達が先に諦めちゃならない!」

「一条さん……そうですよね、私達はまだ、戦える!」

夏目はケイローンの弾薬をG5に渡し、それをケイローンにセット、再びオオアリへ向けて狙撃する。
今のところは決定打にはならないが、手足を狙って動きを封じる。
それまでに、打開策を見つけなければ……。

――その時、二人の頭上を黒い影が通り過ぎた。

G5と夏目は思わずその"黒い影"の視線を覆う。
高速で飛んでいく【ソレ】はディケイド達とオオアリがいるビル街へ向かっていく。
夏目はそれを見て、驚いた表情を浮かべた。

「あれってまさか……!」

魔化魍という魑魅魍魎の存在が巡り合った今、ディケイド達へ向かっているのは何者か。
それを知るのはG5を装着した一条と夏目の二人しかこの場にはいなかった。
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