暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
第53話 =釣りイベって実際にやったら絶対静かだよね=
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お前等…なに逃げてんだよ……!!」

「ご、ごめん…つい…アハハ…」

「あれで驚くなってほうが無理だろ…」

サチの乾いた笑いにかぶせるようにキリトもあの6本足の魚を見ながら言う。キリトの言うとおり…ヒースクリフさんでも絶対
に顔をしかめたりなんかなったりすると思う……気持ち悪さで言えばSAOで最も高い場所に君臨してそうな体型だ。体長は軽く
俺たちの身長を越しておりこの中で一番背の高いユカでさえ見上げなければ顔が見えなくらいだ。

「陸を走ってる…肺魚なのかな…」

「どうでもいいよ」

「……で、リクヤは武器持ってるの?」

リズがこう聞いてきた理由はアイツがモンスターみたい、ではなくモンスターそのものだからだ。その証拠に魚が視界に入ると
自動で頭っぽい場所にカーソルが出る。その色は黄色だから立派なモンスター…普通の魚みたいにアイテム欄に自動収納される
ものならよかったのに…と呟こうとしても意味がない。

「竿はあそこだし……ないや」

「……じゃあどうするのよ…あれ…」

ドスドスとゆっくり確実にこちらへ歩いてきている巨大魚を見ながら呆然と呟く。メイス使いなリズなので彼女も持ってきてな
いのだろう。シリカに視線を向けると「わたしも持ってないです」といわんばかりに首を横に振っていた。

「…私がやるわよ」

「お姉ちゃん、わたしもやる?」

「有名人はおとなしくしておきなさい」

危うくお前も有名人だろうがっ、とつっこみかけるがそれを言ってしまえばここにいる全員に当てはまるので黙っておこう。後
が怖いし…。

「リ、リクヤさん!…奥さんが!!奥さんが危ない!!」

「いや、奥さんじゃないですって」

何度言えばこの人はわかるのだろう…最初は女性陣全員と俺を含めたあの家にいる全員が顔をボンッと赤くしてしまうような爆
弾発言だけどここらへんはやはりおっさんなのか…

「それに任せておけばいいですよ」

そうは言うもののなかなか納得してくれないニシダさん。オブジェクト化させている仲間の竿を引ったくり前へ行こうとするの
をあわてて制す。
…そういえば、こうやってユカの戦闘を見るの初めてだな…見る機会はあっても俺も大変だったし…

いろいろと思っているうちにどうやらマジで戦闘するらしいなあいつ。それをいい獲物だと思ったのか巨大魚はスピードを上げ
てユカへと襲い掛かる。が、ユカにとっては遅すぎるだろう。俺とはほぼ真逆の敏捷の極上げのステータスだから軽い動きで直
前まで来て噛み付いてこようとする巨大魚の口から逃れる。
確かあいつの2つ名って『疾風の天使』だっけ?回復するのが天使っぽい…とかそんな感じでワイワイ言われてたっけ…。ソラが
ユカを2つ名で言わなかったのは
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