第二章
[8]前話
「神学がです」
「西洋の学問の大樹です」
「その神学をよく学び理解し」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「多くの学問を修めている」
「これは真の秀才です」
「それ故にですね」
「彼はです」
ライツヘイムはというのだ。
「二十八歳にして国立大学の教授になったのです」
「神学を非常によく理解しているので」
「そして論文も優れていて」
そうであってというのだ。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「他の分野の学問も優れているので」
「当然のことですね」
「ここまで優れていれば」
それならというのだ。
「二十代で国立大学の教授も」
「大抜擢もですね」
「当然です」
はっきりと言い切った。
「このことは」
「むしろそうしないとですね」
「駄目です、あの大学はいい判断をしました」
「有能な人材をその能力に相応しいポストに就けた」
「そうです、そうしなければです」
「かえっておかしいですね」
「左様です」
こう話した、そしてだった。
マッツ達は以後ライツヘイムについて何も言わなかった、そしてその彼はというと。
「教授、今日もですか」
「はい、出来る限りです」
自身の研究室で自分と同じ位の年齢の助手に話した。
「学んでいきます」
「そうされますか」
「学者ですので」
だからだというのだ。
「やはり学び」
「論文を書く」
「そうしなければならず」
「お好きなので」
「ですから」
それ故にというのだ。
「学んでいきます」
「そうされますか」
「今日も」
こう言って学問に励む、その姿は助手から見ても真の学者のものであった。そうして彼は抜擢に相応しい業績を残した。若い頃からそうしていったのだった。
抜擢人事の裏側 完
2024・10・23
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