22,そして事件の幕は上がる。
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たところで、重苦しい足音が表通りの方から響いてきた。
<聞き耳>スキルを持っていない俺でもしっかりと聞こえるほど、断続した靴底の叫び。
チリ、と何かが頭の中で小さく音をたてた……おと、そうか。
音だ。彼らの足音がおかしいんだ。
解放隊は規律を最重視したギルドだからどんな所であっても行進での行動を是としていたはず。
普段なら20人名ほどの足音が重なり、巨大な人型モンスターが襲来するような印象となるが、今日の音はどこかおかしい。
例えるなら、芋虫型のボスの様な這いずる様だ。
何人かのプレイヤーが音を捉え、怪訝な顔で空き地の入り口を凝視している。
音源が姿を見せたとき、俺は自分の胃がきゅっと引き締まるのを感じた。
先頭をキバオウに入場してくる解放隊の面々は一様にボロボロだった。
HPこそ圏内に入ったことで回復しているが、鎧は砕け、兜は傷付き、携えるハルバードは刃こぼれが目立っていた。
どれもが装備耐久度の限界寸前、もしくは半壊状態であることは間違いない。
解放隊の平均レベルは決して低くはない。
おそらくリーダーのキバオウは俺とほぼレベルが変わらないし、その他の連中も攻略組の平均レベルには届いているだろう。
そんなレベルも人数も最大規模の解放隊がワイプ寸前まで追い込まれるとは、いよいよ尋常なことではない。
キバオウはゆっくりと会場全体を睨み回した。刺し殺す様な視線が、会場全体の空気を氷点下へと凍らせる。
「キバオウさん、何があった?」
状況に耐えかねたように、ドラゴンナイツのリーダー・リンドが声をかけた。
キバオウは一瞬だけリンドを見た後、もう一度辺りを見回しながら、ぐっと両手を握りしめた。
「ワイは……これでも、全プレイヤーの解放のために戦ってきたんや。それはアンタラも同じや、そう思っとった」
吐き出される言葉は淡々として切るように。
言葉には込めきれないほどの怒りがその息から逃れないように、キバオウは奥歯をしっかりと噛み締めた。
「ギルドの違い、考えの違いはそりゃ、しゃあない。そやけど、攻略の妨害だけはワイは……絶対に許さへん」
ギロリ、と深い憎悪で塗り固められた視線が延びてきた。深い憎悪に満ちた瞳が俺の眉間を捉えゾクリと背筋に悪寒が走る。
頭の中で、急速に何かが組みあがっていく。
妨害、キバオウ、俺。
点と点が頭の中で線を描き、最後の線を探し求める。
「作戦成功やで、ジブン。ワイは、ワイは大切な仲間を三人も死なせてしもうた……」
「キバオウさん!!?どういうことだい?わかりやすく……」
「なんでや、なんでマップデータの偽情報なんて流して、ワイらをトラップに嵌めたんや……!!!」
まるで、この世の全ての悪を断じるように、キバオウは一人のプレ
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