第18話
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生やした魔族の少女であった。
「ただのアニマルゾンビを……魔族に変えたと言うのか?」
執事の様な衣装を纏いシルクハットを被った少女は、しれっととんでもない事を言った。
「はい。この進化の実は、食べるとたった1時間で200万年分の進化・進歩しますから」
「200万年だと!?」
「しかし、効果はたった1回。1度進化の実を食べた者は、2個目の進化の実を食べただけでは絶対に進化しなーい」
そんな説明と進化の実を食べさせられたアニマルゾンビの激変を視て、進化の実を食す事を断ろうとするクレオ。
「私は遠慮します!」
クレオの拒否は本気だった。
ただでさえこの世界でのレベルアップの影響で激ヤセして美化してしまった上にそこに200万年分の進化・進歩による外見激変となれば、本来居るべき世界での生活に支障をきたすと判断したのだ。
「……臆したか?」
ハドラーちゃんは恐る恐る進化の実をもぎ取ろうとすると、今度はフレイザード2号が光の柱に包まれた。
「来た来た来た来た来たぁーーーーー!女性同士の性交による妊娠・出産の時代がぁーーーーー!」
「何時の間に食った?!」
だが、先程のアニマルゾンビとは違ってそこまでフレイザード2号の外見が変わる訳でも無く、右半身が氷の岩で左半身が炎の岩だったフレイザード2号の身体がより人間らしい外見と肌色になっただけにしか見えない。
(私の場合は……なんか人間に戻っただけって感じ……いや!……いや違う!)
しかし、フレイザード2号の中身は劇的に変わっていた。
(感じる!物凄く小さいけど、両肩と両足の付け根(鼠経部)に計4つの脳が備わっている!しかも、この小ささなのにかなりの智慧と記憶力を兼ね備えている!それに!)
何かを確信したフレイザード2号がハドラーちゃんの肩に手を乗せた。
「喜んでハドラーちゃん!私、ハドラーちゃんの娘を出産出来る様になったし、ハドラーちゃんも私の娘を出産出来る様になった、がはぁ!?」
ハドラーちゃんは、発言がアホ過ぎるフレイザード2号を殴ってしまった。
「アホかぁーーーーー!たった1度しか出来ない200万年分の進化をくだらない事に使いおって!」
さて、選択肢選びが最後になって―――
「いや、まだクレオが食べていなかったな?」
その途端、クレオは慌てて逃走するも直ぐにハドラーちゃんに捕まってしまった。
「良いではないか良いではないか。200万年分進化できるのであろう?なら、お前に損は無いと思うが?」
クレオは必死に拒否する。
「嫌々嫌々!ただでさえこの世界に来る前より激変したのに更に激変したら、私は2度と学校に行けなくなるぅーーーーー!」
が、クレオに拒否権は無く、ハドラーちゃんはクレオの口に無理矢理進化の実を放り込んだ。
「が!?ハドラーちゃん!?何を……嫌あぁーーーー
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