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昨日の朝 翔琉と駅で会った時、私は後ろめたくてろくな話も出来なかったのだ。土曜日の練習は1年生の強化が目的で、2年、3年生も出てきているけど、主に自分の調整目的で、コーチ達は主に1年生の面倒を見ているのだ。
そして、練習終わる頃になって、私は石切コーチに呼ばれて
「水澄 スマッシュの練習ね 打ち込んできなさい」と、私相手にサーブを繰り出してきた。
「ダメ! もっと 上体を捻って思いきり振り切るのよー」「自分の打点まで身体持って行かなきゃー 打てないでしょ!」とか、いきなり厳しい声が飛んできて、嫌というほど球を繰り出してくるのだ。私がスマッシュを打ち込んでも、平気でコーチは打ち返してきていて、私の後ろには何人か1年生が球を拾ってくれるのだけど、私が空振りする度だから申し訳なかったのだ。しばらく、続いたのだけど
「お前はバカかぁー もっと 跳んでも良いから身体ごとをボールに持っていかなきやー返せないでしょ! 腕だけで返そうとしてもダメに決まってるじゃぁない! 打つ時はスキップしてもいいんだからね! モタモタしないでちょーだい!」
ボロカスに言われながらも何度目かにスマシュが決まり出すと、コーチの返球が強くなりだして、それでも喰らいついていった。30分ぐらいやっただろうか
「まぁ まぁ 見れるぐらいにはなってきたわね もっと 自分で 武器を考えなさいよ 次は、相手の球を返す練習ね あなた ドンくさいから頑張んなきゃーね」と、ようやく解放されたのだ。
「なんなの 水澄 眼つけられてるのかしら いじめカナー 鍛えてるといえば そーだし あなた ドンくさいだってー うふっ」と、香ちゃんが寄ってきて言ってくれたけど・・・私はヘトヘトでどうでも良かったのだ。今は、そんなこと考えられないぐらいバテていた。
もっと、気が重かったのはシャワーを浴びた後、香ちゃんに
「ごめんね 今日 知り合いと待ち合わせするんだ」と、別れて、震える手で電話帳の竹通一真さんを押した。
「もしもし 終わった?」
「はい 今 まだ 学校出るとこですけど」
「あっ そう じゃぁ 中央改札出たとこのマルシェの前で待ってます」と、直ぐに切られた。なんか、事務的な人と思いながら、指定されたところに向かった。
そこは、直ぐにわかって、頭が出ているあの人もわかったけど、この前と違ってメガネをかけている。むこうも私のことわかったみたいだけど、手を挙げるとかも無く近づいてきて
「すぐに わかりましたよね 芝生公園に行きましょうか」と、手をつなぐでも無く、さっさと歩き出した。私も仕方なく後ろから付いて歩き出した。信号を渡って公園に入っても、すたすたと歩いていて、後ろから歩いている私は これじゃー 補導されているみたいだなって思い
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