第二章「クルセイド編」
閑話「コラボwith銀の守護騎士」その二
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狙撃にはちゃんと構える必要が有ると言うこと位は知っている。なのにエレギオはスコープも覗かず腰も落とさず無造作に二発放った。到底当たったとは思えない。だがエレギオは「よし当たったな」と呟いた。
「当たったな、じゃないですよ!もし他の方にでも当たったら」
「その心配は無いぜ。俺はミスファイアはしないし流れ弾で誰かを傷つける事も無い……ほら」
「えっ……」
その先には寸分違わず眉間を正確に打ち込まれた二体の魔獣が倒れ伏していた。
「うそ………」
銃はメジャーな武器だ。クローゼの知り合いにも長銃とは言わないが銃使いはいる。だがその誰しもが300アージュ離れた敵の眉間に正確に打ち込めるような使い手はいない。魔獣は眉間を打ち抜かれて、出血も殆どしていなかった。
まさに一撃必殺。いや必中必殺と言うべきか。一体だけならマグレで済ませる事もできたかもしれないがマグレは二回も起きない。エレギオは常人には見る事さえできない300アージュ先の敵のその急所を正確に打ち抜いたのだ。
「凄い……こんな事ができる人が居るなんて」
「そう言って貰えるのは光栄……って言いたい所だがなあ。
生憎俺はその気になりゃあ10000アージュ先のアリンコの眉間だってぶち抜けるんでな。
あの程度で誉められても素直に喜べねえ」
「い、10000アージュ!?」
「まあ特製の弾丸使わなきゃ途中で落ちちまうけどな。
でもまあ狙撃手って意味なら俺に張る奴はいねえよ」
……呆れて言葉も出ないとはこの事だ。クーデター事件の折に見たロランス少尉と言う男も出鱈目な強さを誇ったがこの男も大概だ。そんな超長距離から狙撃されようものなら無抵抗に蜂の巣にされるしかないではないか。と言うよりもそれ程の狙撃ならリベール中が彼の狙撃の有効射程範囲と言うことになる。
正直普通の人間がそれを言ってもただ嘘くさいだけだがクローゼは目の前の男がそれを言った態度には嘘めいたものを感じる事ができなかった。黙りこくってしまったクローゼにエレギオは少し照れくさそうに髪をかきながら「まあドラゴンソウルって言う素晴らしい長銃あってこその話だけどな」と口にする。
「それにしたって………そう言えば良くそんな重そうな長銃を片手で扱えますね」
「慣れてるからな」
エレギオの持つ『ドラゴンソウル』は若干華奢でこそあったが肉厚でギラリと黒く光り、その名からも獰猛な龍を思わせる形態をしていた。どうみてもその重さは10kgは下るまい。そうでなくともライフルは両手で扱う武器なのだ。しかもドラゴンソウルの場合その先にこれまた獅子の牙を思わせる輝きを放つダガーまでもが付いているのだ。もしかしたらそのダガーの部分だけでクローゼ
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