九十 めぐりあい
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「俺が行くよ。おまえはあまりはしゃぐな」
怒りを抑え切れない様子のナルを押しとどめたカカシは、キバを促してダンゾウの居場所へ向かおうとする。一緒に行こうとするナルの腕を、ヒナタが必死にすがりついた。
危ない真似をしないでほしいというヒナタの視線を受け、渋々引き下がったナルの頭を軽く撫でて、カカシはキバと共に、地面を蹴る。
急ぎ立ち去ったカカシとキバを見送っていたナルが「くそ…サスケの奴…」と悪態をついていたその瞬間、ずっと様子を窺っていた忍び達がようやく動いた。
「――そのサスケってのについて色々教えてもらおうか」
「どうやらお友達らしいな、おまえ」
いきなり刀を突き付けられ、すぐさま飛び退いたナルは、ヒナタに迫りくる刀の切っ先を【影分身】で白羽取りした。
ほう、と二人組の片割れが感心するのも束の間、即座に柔拳の構えをとったヒナタへ、もうひとりの片割れが飛び蹴りをくらわす。
咄嗟に反応できなかったヒナタを庇って代わりに蹴りをくらった【影分身】のナルが消えてゆく。
白煙と化した自分の分身を前に、ナルはキッと激しく、突然襲いかかってきた二人組を睨みつけた。
「なんだってばよ、いきなり!?」
地面に激突しそうになったところをナルに助けられたヒナタが、【白眼】を発動させながら、目敏く相手の額当てを見て、狼狽した。
「雲隠れの忍び…?ど、どうしてこんなとこに…?」
雲隠れの忍びのマークが施された額当てを身につけている色黒の男女の二人組。
褐色肌の彼らは、木ノ葉の里では全く見覚えのない顔だ。
「お前達、さっきサスケの話をしてただろ!そいつの話を聞かせろ」
雲隠れの里からの使者。
雷影の使者として木ノ葉の里を訪問したサムイと共に、里を訪れたオモイとカルイ。
彼らからもたらされたサスケの話を聞いて、ナルの顔がみるみるうちに沈んでゆく。
サスケが連れ去った師匠のビーが生死不明だ、と語る二人組は居ても経ってもいられず、少しでも情報を得ようとしている矢先に、サスケの話をするナル達を見つけ、秘かに機会を窺っていたのだ。
流石にカカシがいる手前、強引に事を運ぶことが叶わなかったが、ナルとヒナタしかいない今が好機と思い、襲いかかったらしい。
「サスケについて知っていることを全て話してもらう」
忍術・能力・行動履歴など全ての情報を教えろと意気込むカルイとオモイを前に、ナルは暫し、思い詰めたように顔を伏せる。
やがて「…わかった。協力するってばよ」と承諾したナルに、ヒナタがおろおろと「な、ナルちゃん…」と戸惑い気味に引き留めた。
「大丈夫」
ヒナタを安心させるようにナルは笑顔を向ける。
けれどその笑みが無理に偽
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