第3部
サマンオサ
変化の杖
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な力の差を見せつけていた。
私がしっかりしないと、今度はナギがやられちゃう……!
「ベギラマ!!」
そう考えている間に、別の方向からユウリの放った炎が魔物に向かって襲いかかる。だが直撃するはずの魔力の炎は、振り向き様にボストロールが自身の爪で払い除け、掻き消されてしまう。
『邪魔だ!!』
その攻撃を皮切りに、今度はユウリ目掛けて攻撃を仕掛けてきた。それを予想していたのか、ユウリは次々と繰り出される魔物の攻撃を難なくかわしていく。
ダメだ……。二人がしっかりしてるのに、私は立ち尽くすことしかできない。このままじゃ私ばかり足手まといになってしまう。
「ミオちん!! こっちは大丈夫だから!!」
などと弱気な考えが態度に出ていたのか、突然シーラが私に向かって叫んだ。
振り向くと、シーラの持っている賢者の杖が淡く光っている。
「絶対にるーたんを治すから!! あたしを信じて戦って!!」
見ると、シーラの目の前に横たわるルークの身体が、回復呪文による光につつまれている。私がグダグダと考えている間に、シーラはルークを治療していたのだ。
何てバカなんだ、私は。こんなにも頼もしい仲間がいるのに、一人で思い悩んでるなんて。
私は大きく頷くと、すぐにボストロールの方に向き直った。ルークはシーラに任せよう。私は私に出来ることをやらなければ。
とは言えどうやって魔物を攻撃するか。現にユウリに攻撃している間もなかなか隙を見せることはなく、ナギですら応戦できずにいる。
ボストロールも図体の割に素早い動きをしているし、鋭い爪による攻撃をユウリに向けて放って……。
そのとき私は、ふとある異変に気がついた。
確か最初にボストロールが姿を現したときは、手に棍棒を持っており、それを使って攻撃をしていたはずだ。だが今は棍棒などなく、代わりに片手には変化の杖を持っている。要するに今は片手に杖、もう片方の手に爪を生やしユウリを攻撃しているのだ。
もしかしたらあの杖は、手とか身体の一部分でも姿を変えることが出来るのでは!?
だとしたら、次に魔物はどう行動するか。一か八か勝負に出た私は、星降る腕輪の力を引き出した。
ガギンッ、キィン!!
ユウリの剣とボストロールの鋭い爪の激しい鍔競り合いが続く。だが、ユウリの何倍もある体格のボストロールの攻撃が、徐々にユウリの体力を奪っていく。じわじわと後退しながら、余裕だったユウリの顔に一筋の汗が伝い落ちる。
そのとき、ボストロールの持つ杖が一瞬輝いたのを、私は見逃さなかった。いや、腕輪の力がなければ見過ごしていたかもしれない。
「変化!!」
魔物の轟く声と共に、ユウリと対峙している魔物の爪がみるみるうちに変化していく。突然のことに、ユウリの反応が一瞬遅れた。
「ぐっ!!」
ユウリの
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