第30話前半
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芹沢はスクリーンを睨み付けて、その目線を外そうとは決してしなかった。
「連合艦隊はどうしている?」藤堂が聞く。
「バレル大使、イザベラ大使の指示により、月軌道上にまで後退が完了し、現在は態勢を立て直している最中です」
「ふむ……」
〈滅びの方舟〉…。
このまま沈黙してくれればよいのだが…。
変わらず崩壊が続く〈滅びの方舟〉であったが……異変が起きる。
崩壊していくと誰しもが思っていたのだが、崩壊という言葉が不適切だと悟らざるを得なくなったのだ。
「…ん?、こ、これは?!」
「どうした?」
不意に声を上げるオペレーターに、芹沢が尋ねる。
「彗星都市中核から観測される、異常に上昇していたエネルギーが、一向に止む気配がありません!」
「!?」
まさか、とスクリーンを見つめた誰もが絶句した。
彼らは見た。
〈滅びの方舟〉の形が変化するのを。
彼らは見た。
〈滅びの方舟〉が悪魔と呼称してもおかしくはない姿へと変貌し、悪魔となったのを。
〈滅びの方舟〉のコアは確かに破壊した筈だ、何故…。
誰もが見えない手で心臓を、鷲付かみにされるかのような心境だった。
「新たな報告です!」
「今度は何だ?!」
「そ、それが…〈滅びの方舟〉後方に重力波を確認!」
「ガトランティスか!?」
「違います!ガミラスでもありません!これは、このワープアウト反応は…」
ーーーミドガルドです!
オペレーターの報告の直後、…”彼ら”はやって来た。人々は知ることになる。…ミドガルドの本気を。
「ワープアウトします!」
その言葉と共に複数の青く輝くワープゲートが展開され、通常空間に姿を現した。
第二十四機動艦隊、第十五、第十六、第二十機動艦隊がワープアウトした。
艦種はCAS066ミスキ級U型重巡洋艦、AC721級スサナー級U型(ミサイル型含む)、ツンドラ級戦術U型にセレス級軽空母U型、そしてクワオアー級改。
どれもが大型だ。ミドガルドの駆逐艦でさえ、戦艦ないし弩級戦艦と地球側では識別されるだろう。
ワープアウトした艦艇数は千隻で、バスターレーザー搭載型のクワオアー級改が大半であるのを複数確認出来る。
「ワープアウト更に続くっ!」
「巨大なワープアウト反応です!?」
巨大なワープアウト反応が確認された直後、青く輝く○字状のワープゲートが少数展開され、ズズズっと出てくる。
そこから出てきたのは1つのガイエンブルク級戦闘要塞。
直径が準惑星ケレスと同じ900kmある球体状の人工天体であり、スターダスト計画の一部であるこれは宇宙に溶け込むよう
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