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同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
第29話
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 昔のように、むざむざと破れるような事は絶対に無い。

 その証拠に次々と主力艦がワープアウトする中、巨大なワープエフェクトが展開される。

 スターダスト計画の一部にして、戦闘衛星シリーズの頂点に君臨するアタックムーン級戦闘衛星が姿を現した。

 その数十秒もしない内に2つのガイエスブルク要塞に続く形で、エターナルストーム級U型30隻が現宙域にワープアウトする。

 艦隊の集結を最後まで見届けるシエラには、確信があった。

 ミドガルドギルドは必ず勝利する。

 「”合図”が、本部から、出たら、直ぐに、ワープ航法、移行して」

 「はっ!」

 集結し続けるミドガルド艦隊へとシエラはデフォルトである無表情の顔をそのままにしつつも、口元は半月を描くかのように弧に歪み、静かに見つめるのだった。




 −ーーイラム星 衛星軌道上 艦隊旗艦アタックムーン級〈ツヴァイ〉−ーー

 金髪の女性オリアナ将軍は、腕を組みながら静かに見守っていた。

 「【総統】の演説の時間までは、残りどれくらいでしょうか?」

 「30分を切りました、オリアナ将軍」

 「そうですか…全艦に通達、ジャンプ隊形のまま待機してください」

 「はっ!」

 踵を返した士官を横目に、オリアナはブリッジから眼前に広がるミドガルド艦隊を見つめる。

 エターナルストーム級U型が密集し、その隙間を埋めるようにしてAC721スサナー級U型(派生型含む)やアークワイテンズ級クルーザー(旧名アークワイズ級フリゲート)、セレス級軽空母U型が集まっている。

 左右の真横をチラッと見れば、ガイエンブルク要塞が二つ並んでいる。
 視界外にはオリアナが座乗するアタックムーン級の他に6つのガイエスブルク要塞が、護衛するように展開していた。

 そして、オリアナが座乗するアタックムーン級の後方には、スターダスト計画の頂点に君臨する存在が睥睨と浮かんでいる。

 まるで、WSO世界最強と名高いミドガルドギルドの軍が真に復活したような光景だ。

 だが、まだ足りない。
 追いつき、追い越さねばならない。
 歩みを止めてはならない。進みに進み、進み続けらなければ。

 すぐ先の戦いを見つめるオリアナの瞳は、鋭く睨みつけていた。

 25分の時間が経った。時間が経つ中で現在も数人の士官が下士官達に指示を出しており、艦に異常が無いか、念入りにチェックをしていた。
 
 「そろそろ【総統】の演説の時間が、ですね…」

 オリアナはブリッジのモニターを見つめながら、軽く深呼吸をする。

 【総統】である【彼女】の演説が終われば、直ちに戦場へワープしなければならない。

 負けるつもりも死ぬつもりも毛頭な
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