第27話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
までも、職務を全うする軍人としての顔で、山南に提案する安田。
しかし山南は彼の行動に唖然としていた。何と言葉を発して安田に送ればいいのか分からない。〈アポロノーム〉の…安田が今していることのそれは…。
そんな山南の表情を見た安田は、素で最期の言葉を送る。
『山南総司令……山南、お前は最善を尽くした』
「や、安田…!」
最善を尽くしただなんてやめてくれ。俺は、俺は…! だがその山南の想いを口から出せることが出来ず、ただ彼の…親友の名を呼ぶことしか出来ないでいた。
『健闘を祈る!』
安田は姿勢を正し敬礼した。それが区切りであるかのように映像通信が終わった。
そうして数分もしない内に沈降していた〈アポロノーム〉は10以上もの破滅ミサイルからの攻撃により……爆沈した。
「安田……!」
一部始終を垣間見ていた山南は『シグナル・ロスト』となっている砂嵐状態の映像通信スクリーンから目線を落とし、力なく首を垂れた。
司令官として屈辱的な敗北を喫した事もそうだが一番はやはり、親友の安田を失った喪失感だった。
艦長席の肘掛けに置いていた掌を強く握りしめる山南は、何も声を発する事も出来ず、ただ、ただ、残存艦隊が離脱するのを待つばかりだ。
だがいつまでも落ち込んでいる訳にはいかない。そう無理やり気持ちを入れ替えた山南。兎も角は機関部の応急修理を行う必要がある。
「機関部の応急修理作業を開始。手の空いている者は、最優先に機関部を修復せよ!」
艦内クルーに機関部の修復を急がせる。〈アンドロメダ〉は被弾の影響があったにせよ、一応は自力で航行が可能な状態だ。
しかし、だ。
ワープが出来ず、あまつさえ戦闘用に使うエネルギーすら余裕が無い状況。現時点では、四基の補助機関からエネルギーを回しており、戦闘不可能にしろ生命維持装置は継続して稼働している事は、安堵の息を漏らす一同であった。
だが、これでは総旗艦として機能することは不可能だ。最悪の場合、〈アンドロメダ〉を乗り捨てる事も可能性としては濃厚気味であったがこの宙域での退艦は望ましくない。退艦途中に狙われたら元も子も無い。
どうするべきか、と頭を悩ませる山南であったが副官から提案を受ける。
内容としては両舷にドレッドノート級を重力アンカーによって接触そして接続し、推進機関代わりとすることで地球圏まで離脱、時間断層にて修理すること。
山南は提案を承諾。副官は復唱した。
この戦いで戦力を大きく削がれた地球・ミドガルド軍。未だ膨大な戦闘艦艇を保有するガトランティスに抗う術は無いだろう。
だが、地球連邦政府は徹底抗戦を選r…いや確実に選ぶ。何故なら負ければ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ