第17話
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ベラ大使と上に居るミドガルドオブザーバーにもチラッと見るが、直ぐ真正面に戻る。
「お言葉ですが、今更、重要な情報を開示されるのはどうも…」
「…芹沢副長。それは我々ガミラスの落ち度であると?」
「せめて共同作戦の実施前に…」「過去に不幸な行き違いはありましたが、今では地球とガミラスは同盟国。対等なパートナーであると信じております」
昨日の敵は、今日の友とは言うもののまだ三年。いや、もう三年であろうか?だがそれでも複雑な気持ちは両者ともある。…ミドガルドを除いて。
大統領のスピーチが終わったのか、観客からの拍手喝采が会場を広がりを見せて、やがて紐で吊るされたシャンパンが新造艦の左舷にある波動砲の発射口にぶつけられ、瓶が割れたと同時に久寿玉が割られた。
「今の地球の人口は当時の三分の一にも満たない。デスラー体制の崩壊により、国が乱れていようと、ガミラスがその気になれば、侵略するのは容易です。無論、もうそのようなことは起きないでしょうが…」
「藤堂長官、疑心暗鬼という言葉は我々ガミラスにもありますよ。危険な火遊びであると、忠告させていただきます。恩人であるイスカンダルの約束を反故にしてまで…」
「そう、あれは一宇宙戦艦艦長の沖田十三がした口約束です。条約でも無いし、地球の意思でもありません」
バレル大使が言ったことを芹沢は一蹴する。
藤堂は顔をそむけた。思うところが無い訳じゃない。分かっているのだ。だがそれは地球の為に必要なことなのだ。
「その通りです。今の地球には必要なこと。ガミラスを退けたとはいえ、未だ地球は脅威の渦の中に居ます。数多の脅威から身を守る為にも、地球政府が推し進めるこの政策は必要不可欠なことなのです」
今まで口を閉ざしていたミドガルド大使であるイザベラの声に藤堂、芹沢、バレル大使と金髪の青年は耳を傾けた。容姿はうら若い銀髪の女性であるが、真っ直ぐな眼差し、表情、雰囲気、態度は歴戦の猛者のように力強く感じられた。
(必要なこと、か)
バレル大使は心の中でそう呟きながら、真下に居るアンドロメダ級に視線を向ける。ガントリーロックが外された新造艦アンドロメダ級4隻はレールにそって急速に進み、やがては直角90度のレールに沿って空へと舞い上がってあった。
一同が再び凝視する中、空高く昇って行くアンドロメダ級2番〜5番艦の4隻は市民の大歓声の中、式典上空にワームホールを形成させて、式典を後にした。
こうして様々な思惑が入り乱れる中、進宙式は終了した。
〜〜ミドガルド 駐地球大使館〜〜
〈イザベラSIDE〉
「いや〜、やはり未来の地球は凄いよ。宇宙戦艦アンドロメダは迫力満載だったね!」
「えぇ、そうね。でも私
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