暁 〜小説投稿サイト〜
同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
宇宙戦艦ヤマト2202
第15話
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ーは直撃せずとも、至近に居ればそのエネルギー流の凄まじい放射熱などの余波を受けることになり、それを受ければ、大抵の艦艇は装甲を剥離された挙句の果てに、バラバラに分解されてしまうのがオチであった。
 あのカラクルム級も無事では済むまいが、願わくばデブリ群の成れの果てへと思うばかりだ。

 「…3、2、1……0」
 
 「拡散バスターレーザー、発射ァ!!」
 
 同志シエラは発射を命じた。

 下部に搭載されているバスターレーザー砲口から、強力な閃光が生じると共に一気に周囲宙域を緑白い光で照らし出す。だが放たれたのはバスターレーザーだけでは無く、青白い光を照らしながら放つ地球艦アンドロメダも同様だった。

 プロテクト級から放たれた一つの砲口に堪った破滅の光球が、眩い閃光と共に風船のように破裂したかと思えば、一本の太い光道が前方方向へ、我行く破壊の道標となって突き進む。

 それは、あっという間に戦闘宙域に達した。美と破壊を纏った光道は、一定の宙域に着た途端に直線だった道筋が螺旋を描き始め、互いに縺れあう様に突き進み続けた。

 その数秒の後、螺旋を描くエリス=エネルギーは、第八浮遊大陸の周囲を周回していた衛星の側面を文字通りに抉り、威力を衰えさせることも無く戦闘宙域に差し掛かった。

 凄いな(感激)。

 バスターレーザーは戦闘宙域に到達するや否や、数百以上の光が生み出され、辺り一帯が光の美しさと共に破壊の限りを尽くす。大陸基地は無論のこと数百という分岐したバスターレーザーにガトランティス艦隊は基地と共に呑まれて跡形もなく消し飛んだ。

 「敵艦隊の九割以上を殲滅、浮遊大陸基地の消滅、並びに惑星の半壊を確認。なお、バスターレーザーとアンドロメダより放たれた拡散波動砲の影響で宙域一帯の磁場が乱れております故、残敵の確認は難しいかと」

 「急速冷却開始。機関部に異常は見受けられず、戦闘面を除き航行に影響はありません」

 「報告します。バスターレーザーを最大出力で放った関係もあり、エリス=ドライブに多大な負担が生じており、冷却を急いでも数十分は掛かります。戦闘能力は大幅に低下し、ミサイルや魚雷といった兵装が現状、使えます」

 「友軍艦隊の被害はゼロ。健在です」

 成功だな。艦隊決戦に使えることが証明されたがやはりと言うべきか、機関出力に負担が掛かるか。プロテクト級をベースにした戦艦ロジャー級であれば機関出力も事足りるだろうな。とはいえ、バスターレーザーが艦隊決戦時に有効である証明が出来たことは喜ばしい。
 
 同志シエラ、作戦を第2段階へ移行。通信回線をオープンチャンネルにし、友軍に呼びかけろ。

 「分かった」

 いや〜、今日は素晴らしい日だな。ストレスも発散出来て一石二鳥だな♪。

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