番外編?
デ・ブラン「我々はミドガルドを未来永劫、恐怖するだろう」
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艦隊は壊滅した。
そしてその日、デ・ブラン帝国はミドガルドに対して、無条件降伏をしたと同時にミドガルドの管理下に置かれた。
だが停戦協定が締結されたとはいえ、当初は抵抗を試みなかったわけではない。隙を見て、あるいは真正面から、ミドガルドの支配を破ろうと抵抗したのだ。
しかし、その試みは全く成功しなかった。
全力で抗ったにも関わらず、いとも容易く、無力化していった。治安は皮肉にもミドガルドの管理下に置かれてから、少しずつではあるものの治安は良くはなった。だがそれでも街は、都市に住まう人々の空気は重かった…。
封鎖するかのように巨大な艦艇36隻が星を囲うようにして、衛星軌道上に駐留。本星にはミドガルド兵、不気味ともいえる存在のバトル・ドロイドに監視ドローンによって巡回されている。…まるで星から出ることは認めないと言っているように。
それは当然の起結というべきか、デモ、反乱運動が始まった。デ・ブラン人全てとはいわないものの貧困層、中間層、富裕層は一丸となってその一員となっていた。
だがその反乱運動は直様、終わりを迎えることになる。
全ての放送機関、家庭にある中継機器がミドガルドによってジャックされ、一つの映像が映し出される。放送機関は前触れも無く、ジャックされたことに衝撃を受けた同時に現場では混乱が生じていた。政府も同様に。
一体何が始まるのか、と人々は画面を食い込むように見つめる。
映像には星の大海の中を浮かんでいる緑あふれる惑星が映し出された。ーーーそこは以前、死刑囚等をミドガルドに任せた囚人惑星。何故このような映像をジャックしてまで見せる意図が人々には分からなかった。
衛星軌道上にミドガルドの戦艦(デ・ブラン帝国は知らないが名称、エターナルストーム級U型)5隻がその宙域にワープアウトした。
刹那、輝く緑色の粒子がミドガルド各戦艦の艦首に集まりそして、光の柱ともいえる砲撃が、囚人惑星を襲った。その砲撃は一直線に惑星へと降り注ぎ……数十秒、いや数秒にも満たない内に美しい緑の星を吹き飛ばしたのだ。
そして、囚人惑星は悲鳴を上げて、白い炎と光を撒き散らしながら宇宙の屑と化した。
──あ、あぁ…!
──なん、だよ、コレ…?!
──アレが、もし、私達に向けられたら…ッ!!
映像が切り替わり、宇宙をバックに一体の人型が映し出された。
それは人間だった。腰元まで届きそうな銀髪をし、黄土色の瞳をする少女。この世のものとは思えないほどの美しさであった。
しかしその瞳は彼女の纏う全てが美しく輝いているにも関わらず、その瞳だけが氷の如き冷たさを放っていた。その冷たさは相手を嫌悪するが故のものではない。ただただ、ひたすらに無感情で機械的。
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