第12話
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黄色で構成されたコレはデ・ブランの艦艇に共通するものであった。
全長1200mを誇るその艦はデ・ブランでは2隻しか存在しないものである。表面を見るに数え切れぬ程大量の武装を搭載し、装甲、シールドは遥かに上を行く超弩級戦艦である。そして、艦首部分が大きく空いているのは『切り札』を搭載しているからであった。
…そしてその艦首の大砲口に赤黒い光が蓄積され始めた。それはどんどん大砲口内を満たしていき、溢れんばかりの光となり球体のように集約していく。
人によっては美しく見えるそれは、ミドガルド艦隊を捉えた。
「デ・ブラン砲、発射ァァア!!」
砲口で湧き立つ光が急速に広がり、一気に収束したかと思うと、勢い良く極太のエネルギーの束を放出し無理やり1本に束ねられたエネルギーは目標に向かって突き進んでいき、周囲に放電を起こしながら進み続け、ミドガルド前衛艦隊を飲み込み、やがては全てを飲み込んだ。
「……」
そして、、
「やったぞー!?」「どうだ思い知ったか!!」「デ・ブラン帝国バンザーイ!!」
デ・ブランの旗艦のクルーは喜びの声をあげ、皆抱き合い、喜びを分かち合った。
だがその中で同じく喜びの声をあげていたバイオスだが、ふと彼の背筋には冷たい汗が降りていた。
(デ・ブラン砲を放った際、ふとミドガルド総旗艦を中心として薄い緑のリングのようなものがミドガルド艦隊を覆うように展開されたような……ま、まさか…)
そして、バイオスの考えは的中することとなる。
「ミドガルド艦隊は…健在です」
「………は?」
バイオスの視界が眩む。副官と側近の声が遠く聞こえる程、思考が停止していた。ようやく得た満足度を瞬時に粉砕したのだ。
もうどうやっても敵う相手ではない。とバイオスは思った。
「し、将軍!どうしますか??」
「……だ。」
「え?」
「撤退だ…全軍撤退。全艦隊通信で残っている船にそう伝えるのだ」
「ま、まだ軍船は残っております!それに、そんな事をすれば??」
「わかっておる…十中八九私は殺される。だが『私だけだ』。お前達は助かるから安心しろ」
「将軍……」
そうして、バイオス率いる5000隻。この戦いで1000隻あまりとなったデ・ブラン艦隊は、微量の赤い粒子を放出しながらインダク宙域からの撤退を開始した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
《ミドガルド艦隊総旗艦エターナルストーム級》(オリビア”達”SIDE)
ミドガルド前衛艦隊800隻は鉄くずないし消滅したか。単艦のみで艦隊全体を重力防御フィールドで覆うことは無理があったか。『リンク=エリスフィールド』であれば防げたのかもし
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