第12話
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見たことの無い艦影の、大艦隊が敵艦隊後方にワープアウトした。
多くが300m級と600〜700m級だが、その内の6隻は帝国の基準では超大型に分類される程のサイズを持っていた。
4隻は1000m級の艦であり、更に一隻だけ現在のデ・ブランからすれば”あの艦艇”と同等の巨大な艦であった。
全長1200mを誇るその艦と円柱型のフォルムをする戦艦で2000mの長大な棒のような形状をしている艦艇は明らかに敵艦隊の旗艦と総旗艦であることを誰もがそう理解する。
「ワ、ワープアウトした艦艇数は……3000を、確認」
全身の毛穴という毛穴に全てが栗立つ恐怖を感じながらバイオスは心中で絶叫せずにはいられなかった。
バイオスは状況を理解することが出来なかった。敵艦隊後方に現れたミドガルド(増援)艦隊の放った砲撃により、次々と我が味方艦艇が立て続けに撃沈された。別格なのは円柱形のフォルムをする総旗艦だ。どの艦隊よりも前方に居たサーリク率いる分艦隊600隻は陣形もままならず、その圧倒的破壊力を持つ緑色をした輝く光線に飲み込まれていき、ミドガルド総旗艦だけでの砲撃で60隻以上の艦隊が光の渦へと消し去られ、次にはミドガルド総旗艦を除いた艦隊の攻撃により500隻以上が撃沈ないし轟沈した。
ミドガルド艦隊特有の動力機関「エリスドライブ」が繰り出すその莫大なエネルギーは、総旗艦である(エターナルストーム級)の2000mにも及ぶ粒子励起装置と加速装置により数倍に膨れ上がり、サーリク分艦隊を一挙に飲み込んでいく。それはもはや砲撃の域を超えており宇宙の一角に新たな太陽が出現したようでもあった。
あまりの急展開と一方的で絶望的な暴力にバイオスは口を開けたまま固まることしか出来なかった。サーリク分艦隊からの救援要請と側近の呼びかけにより、すぐに我に帰ったバイオスは指令を下した。
(ミドガルドの戦力は我らの下回ることは無い。上であったことが今分かった。情報部はダミーを掴まれたようだ。…撤退など許される筈もない。そして、あってはならないことだが事実を報告する必要であると嫌でもそう直感が伝わってくる)
「こちらミドガルド侵攻軍艦隊将軍バイオス。進撃中に艦隊による攻撃を受けた。敵艦隊数は3000。我が侵攻軍は被害甚大であり既に壊滅状態。
これより残存艦隊で現宙域より戦略的後退をしつつ、敵艦隊を迎え撃つ。本国からの増援を強く要請ーー」
「バイオス将軍!「なんだ?!人が話している時に…」本国より増援です!。数は1隻ですが”アレ”がやって来ました!?」
(なんだと!?)
通信士からの報告と同時にデ・ブラン艦隊後方にワープアウトとした艦艇が現れた。何処か生物的な見た目をし、緑と白、一部
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