第12話
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〜〜デ・ブラン本星より100と数光年 インダク宙域〜〜
「清々しいまでの大船団だ…恐らく今後、数十年は見ることは無いだろう」
デ・ブラン帝国ミドガルド侵攻宇宙軍の最高指揮官のバイオス・スウォルト将軍。齢65歳、『侯爵』の称号を持ち数々の死線をくぐり抜けてきた猛将である。
そんな彼が指揮するデ・ブラン帝国宇宙軍は、総兵力10万の将兵を抱え、美しい星々の大海原を、軍船4,000隻を超える大船団で航行していた。
「ミドガルドの艦艇など我が足元にも及ばないのやもしれぬな」
デ・ブラン帝国の艦艇は駆逐艦から戦艦まで全てが大きい。駆逐艦は150mで巡洋艦は駆逐艦の2倍であり戦艦は400mだ。バイオス・スウォルト将軍が座乗する艦艇は全長600mを誇る弩級戦艦である。
無論、艦艇の大きさだけでは無く技術面においても自国より上はいかないだろうと絶対の信頼がバイオス・スウォルト将軍にはあった。最新技術であるシールド発生装置は当時、試作型の関係の為、極少数のみでの運用であったが10年前より全ての艦艇に搭載されるようになり、融合炉のアップグレードにより攻撃力は強力となった。
それに加え、光の壁を超えることが出来る全艦艇が持つこのワープシステムは帝国のさらなる進歩を約束した。
勝利の神は我が帝国にやってくる。バイオスはそう信じて疑わなかった。……先程までは。
「何故だ!?たった100隻しか無いミドガルド艦隊に何故こうも手こずるのだ?!」
「将軍ッ、戦闘不能の艦艇は2割を突破しました!」
そんなことは分かっている!と部下に怒鳴るがそれだけでは目の前で起きる現実は変わらない。
どうなしてこうなっている、とバイオスは起きている現実から目を逸したいと強く願いたいくらいだ。
数は100と少ないが其れ等の多くは250〜300m級だが、その内の三分の一がデ・ブラン帝国では大型艦に分類されるだろう。
三分の一はバイオス将軍が座乗する弩級戦艦に匹敵する程であった。砲塔の数は船体に釣り合わないがそれでもデ・ブラン帝国より上の光学兵装が使われている。防御兵装においてもシールドが使われており帝国の先を行く技術であるとバイオスは悔しさを胸に抱きながら見抜いていた。
「陣形を立て直すッ。戦艦を前へ、巡洋艦は左右より2方向で叩く!。ただちに…「バイオス将軍!」今度は何だッ?!」
このままではまずいっと考えたバイオス将軍は陣形を立て直そうとするが通信士より掛けられ、バイオスは振り返る。
通信士は震えながらバイオスに静かに報告する。
「巨大な重力破を確認。…来ます」
バイオスがメインパネル(全面)に振り向くと同時に現在もなお、交えている艦影と
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