第4話
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基地への応答が出来ませんッ」
「な、何故だ!奴らから発する妨害電波か?」「分かりませんがこの場にいる艦隊は応答可能のようです」
(それでは意味が…待てよ?それならば…)
「全艦ッ、直ちに反転!現宙域より撤退するッ!」
クリスタはこれ以上は危険と判断し、
「撤退ですと?!。しかしクリスタ准将閣下、それはっ…」
「分かっているっ。だが生きてさえいれば汚名を注ぐ機会はやって来る。復唱はどうした!?」
「は…はっ。全艦、直ちに反転し現宙域を撤退せよ!」
側近であり副官である老佐官ハイドリッヒ大佐が復唱し指示を送る。
(…だがこのまま逃してくれるとは思う程、私はバカでは無い。フフっ、やるしかないか…)
「…ハイドリッヒ」「…分かっております。准将閣下」
クリスタからの呼びかけに直ぐ答えた彼に、『意図』に気づいた事に流石長く共に居るだけのことがあると思いながら彼女は苦笑いをした。
「…我が艦隊の戦力は?」
苦笑いと共にクリスタは凛とした佇まいを崩さず険しい顔立ちとなってハイドリッヒ大佐に戦力を確認するよう指示を出した。ハイドリッヒは管制官にその旨を伝える。管制官は直ぐ様、確認し上司であるクリスタとハイドリッヒに報告する。
「…クリスタ旅団105隻の内、35隻が撃沈されました。20隻が中破、大破を受け、大破した内の数隻はその後、爆沈しました。五体満足な艦艇は本艦を含め半数以下です」
報告ご苦労、と労いの言葉を短く伝える。そして通信士に全艦隊に映像通信を繋ぐよう指示を出す。通信士から合図が送られたことを確認してから、クリスタは息を整えてマイクを持って言葉を発す。
「…損傷が激しい艦艇は直ちにゲシュタム・航法に移行。以外の無事な艦艇は殿となって敵を此処で止める。…逃げたいなら今の内だぞ?」
最後に一言、私一人でも戦うっと付け加える。
『・・・』
沈黙が空間を支配する。沈黙の支配は直ぐに破れた。
『…此方、ファントム雷撃分隊は旗艦と共に殿を努めます』『此方、ガイデロール級セバスです。損傷はありますが戦闘に問題ありません!』『敵に我々の底力を魅せつけてやりましょうよ!?』
「クリスタ准将閣下、彼等もどうやらまだまだ暴れたりないようですな?」
ハイドリッヒ含めた艦橋要員も全員が動かず、「最期まで戦います」とその姿勢で訴えかけた。
呆れたような安心したような声色のハイドリッヒの声に、少し晴れたような顔をしたクリスタは誰もが見惚れる程の顔立ち(笑顔)で命令を下し、最後にこう言った。ーーありがとうっと。
こうして迫りくる敵艦隊に殿に賛同した47隻が立ち向かった。
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