第16話 救出!バードス島
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の刹那、両側に居た鉄仮面に肩を抑えられて無理やり止められてしまった。
そんななのはを近くで見ようと老人はなのはの顎を掴むと自分の方に向けて舐めるように眺め出した。
「ふぅむ、まさかこんな子供があのジュエルシードを封印出来るとは…にわかに信じられん事じゃ」
そう言うと、先ほどまでなのはの顎を掴んでいた手を無造作に振り払う。その拍子になのはの首は大きく揺れ動いた。
その後、再びDr.ヘルを見上げる。
「娘よ、貴様の名な何と言う?」
「……」
Dr.ヘルの問いになのはは押し黙った。恐怖で押し潰された訳ではない。だが、何でも敵の言う通りになりたくない。その強い思いがなのはの中にはあったのだ。
そんななのはを見てDr.ヘルは不気味に微笑みだした。
「ふん、芯は強いようじゃな。じゃが、分を弁えんと早死にする事になるぞ」
指をパチンと鳴らす。すると、両端に居た鉄仮面が腰に挿してあった剣を抜き放ち、なのはの首元に近づける。
刃物から放たれる独特の冷たさが更に恐怖心を煽り立てた。
「もう一度聞く。娘よ、名を何と言う?」
「……た……高町……なのは……です」
震える口調でなのはは答えた。それを聞いた途端、Dr.ヘルの顔色が一辺した。
先ほどまで眉間に大量の皺を寄せて不満そうな顔をしていたのが一辺して狂ったかの様に笑い出したのだ。
「がははははははっ! これは傑作じゃ! まさかあの男にこんな娘がおったとはなぁ!」
「え?」
「知らんか? 教えてやろう。貴様の父、高町士郎とは、かつて此処で出会った事があるんじゃよ」
Dr.ヘルの口から聞かされたのは思いもよらぬ真実であった。
父とかつて此処で会った事がある。一体何を馬鹿げた事を言っているのか?
なのはにはさっぱり理解出来ない話であった。
「信じられんと言う顔をしてるな? 無理もあるまい。まだあの頃はお主も随分小さかったからなぁ。最も、こうして面と向って会ったのは今日が始めての事じゃが」
「お、お父さんを…お父さんを知ってるんですか?」
「無礼者が! 口の聞き方に気をつけろ!」
「構わん!」
怒鳴りつけるブロッケンを黙らせて、Dr.ヘルは再びなのはを見た。
「そう、あれは数年前の事、ワシは古代ミケーネ伝説の謎を紐解く為、かつてミケーネ人が栄華を極めていたと言われる此処バードス島を訪れたのじゃ」
***
今から遡る事数年前。
世界にはこんな神話が残されていた。古代ミケーネの巨人伝説。
ギリシャ人の先祖ミケーネ人はかつて、エーゲ海に浮かぶ孤島バードス島を拠点に栄華を極めていた。
その島にはミケーネ人が蓄えた巨万の富が眠っていた。それを狙い各地の豪傑達が攻撃を仕掛けてきた。
だが、ミ
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