第二章
[8]前話
「あの様にしてだ」
「生み出して」
「そしてだ」
「栄えているわね」
「世にな、しかしな」
それでもというのだった。
「我等はな」
「違うのね」
「同じだ」
バステトに話した。
「このことはな」
「他の神々となのね」
「夜を共に過ごしてな」
「同じ床で」
「もうける」
「そういうことね」
「そしてこのことをだ」
クヌムはバステトにさらに話した。
「人にもだ」
「教えたわね」
「そうして増える様にした」
「神々や生きもの達の様に」
「そうなの、あらゆる命あるものはどうして増えるか」
それはというのだ。
「我等が定めた通りだ」
「夫婦で床を共にして増えるわ」
「それはあらゆる命あるものも同じであり」
「私達神々もそうで」
「私も同じだ」
クヌム自身もというのだ。
「そして妻もな」
「そういうことね」
「神々は自身の定めたことに従う」
「法律にこの世の摂理に」
「それも神の務め、ではもうけた子はな」
クヌムはバステトに微笑んで話した。
「他の子達と同じ様にな」
「慈しみ育てていくわね」
「我等が定めた摂理通りにな」
「そうしていくわね」
「親としてな」
こう言ってだった。
クヌムは妻ヘケトの腹が大きくなっていくのを見守った、そうして子が生まれると他の命あるものがそうしている様に慈しみ育てていった、彼は自分達の子供は土から作らなかった。そうしてもうけていったのだった。
夫婦神の子供達 完
2024・3・12
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