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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#6
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とか…!」

 何故、私が【防衛(プロテクション)】を施した武具が、格上である【聖剣】と競り合えたのか────
 何故、何度も棍棒と接触しているはずのラムルとジグの短剣が、未だ無事なのか────
 何故、私の【防衛(プロテクション)】が、魔獣の棍棒を防げたのか────

 ようやく私は理解する。

 私は────【防衛(プロテクション)】に、解析あるいは分析結果を反映させているんだ。だから、【聖剣】を防ぐことができた。

 ラムルとジグの短剣が無事なのは、棍棒と同系統の霊剣である【冥】の分析結果を反映させた【防衛(プロテクション)】を施したからだ。お邸で待機中に、魔物を一振りで屠ることができるような大振りの短剣が欲しいと頼まれ、ラムルとジグのために創って────【防衛(プロテクション)】を施した。

 グローブ型の魔導機構を創るにあたって、対の魔導機構を仕込むために一度【防衛(プロテクション)】を解いて、再度かけ直しているから────ラムルとレナスの武具は、【月虹】以外、すべて魔獣の棍棒に砕かれることはないはずだ。

「リゼ?」

 レド様が矢を放つ手を止めることなく、突然声を上げた私に呼びかける。

 私はレド様に答えるため───レナスが魔術の範囲から外れた瞬間を狙って、魔獣に【氷刃】を浴びせて時間を稼ぐ。

「レド様───レナスの【冥】とラムルの剣ならば、折られることなく、あの棍棒を押さえ込むことができます!」

 原因が明らかになった以上、折れた剣を直して、また新たに【防衛(プロテクション)】をかければ、レド様の戦力を当てに出来ることは判ってはいるが────今はその時間がない。

 レナスとラムルに棍棒を押さえてもらい、私が【聖剣】で破壊するのが最善だろう。

「解った。では、レナスとラムルに」

 レド様は、そこまで言いかけ────絶句して、顔色を変えた。レド様の視線は私を通り越して、私の背後に向けられている。

 急いで振り向くと────いつの間に出て来たのか、オーガの変異種2頭と対峙する仲間たちの姿が目に入った。変異種は2頭とも全長3mはある。ディンド卿とヴァルトさんを庇うように、アーシャとハルドが前に出ている。

 ディンド卿とヴァルトさんが握ったままの剣が、やけに短い。あれは…、半ばから────折れている?

「!!」

 相対する2頭の変異種の手には────魔獣のものと同じ、漆黒の棍棒。

「レナス!ディンドたちの許へ向かえ!」
「御意!」

「レナス!アーシャとハルドの剣なら、あの棍棒と競り合うことができるから!」

 奔り出したレナスの背中に叫ぶと、レナスが僅かに振り返って頷いたのが見えた。

 こうなっては────先に、レド様の武具
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