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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#4
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ようには折ることができないため、盾を斜めにずらして戦斧の切っ先を逸らす。

 その傍らでは、斧使いのデインがオークと切り結んでいる。

 ベグルに並んで体格のいいデインは、オークに競り負けることはなかったが、その力は拮抗していて───膠着状態に陥っている。

 そこへレナがナイフを放った。ナイフは、外れることなく、オークの右目に突き立つ。

 オークはその痛みに耐えかね、デインの戦斧に打ち込んでいた両手剣を取り落として呻き声を上げる。デインはその機を逃がさず、戦斧をオークの脳天に叩きつけた。


 デインに助太刀は不要と判断したドギは、交戦中のドギたちに近づかないようフェドが牽制してくれているオークの1頭が強引に突破して来たので、先に片付けるべくそちらに向かう。

 ドギの動きに気づいたレナが、ナイフを投げて先制してくれた。頬に突き刺さったナイフに気をとられたオークにドギは斬りかかる。

 オークが咄嗟に手に持つ片手剣を掲げたので、剣に邪魔され───ドギの大剣は、片手剣を弾き、オークの皮膚と肉を浅く斬り裂いただけだった。

 ドギはすぐに腕を振り上げて、またオークに斬りかかった。今度は、オークの肉の厚い頬に刃が食い込む。ドギは力任せに下方向に刃を進ませて、その首を落とした。


 ドギは次の相手を見定めるべく、仲間たちの動向を窺う。
 ベグルが相手をしていたオークは、デインがとどめを刺したようだ。ベグルもデインも、すでに別のオークと対峙している。

 どれも切羽詰まった状況ではないことを確認してから、あちこちに転がるオークの死体に視線を遣る。

 死体に刺さるレナのナイフとフェドの矢が思ったよりも目につく。そろそろ回収させておいた方がいいかもしれないと判断したドギは、叫んだ。

「レナ!」

 それだけでドギの意を察したレナは、動き出した。

 レナがナイフを回収している間、ベグルやデインの援護が手薄になる。レナがナイフの回収を終えた後は、フェドにも矢の回収をさせなければならない。

 ドギはフェドと一緒に、ベグルとデイン、ナイフを拾うレナにオークが群がらないよう牽制しながら、仲間たちや周囲の動向───特に魔物の様子に、一層注意を向ける。

(オークとオーガ、それにコボルトの混成集団と聞いていたが───今のところ、オークしかいないな)

 かなり警戒していただけに、少し拍子抜けする思いだ。そんなことを考えていたのがいけなかったのか────不意に空気が変わったのを、ドギは感じ取った。

(何だ…?)

 それは────目に見える変化ではなかった。だけど、ドギの感覚は確かにそれを感じ取っていた。

 その原因について考え込んでいる場合ではないと直感して、ドギはフェドに向かって叫
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