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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#3
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います。切り替えてもよろしいですか?≫
≪解った。───セレナ、【魔力炉(マナ・リアクター)】を俺のものに繋げる≫
≪はい、お願いします…!≫
≪ノルン、頼む≫
≪はい、(マスター)ルガレド!≫

 レド様たちの遣り取りを聴きながら───対の小太刀を抜身の大太刀へと替えて、剣を振り被ったオーガの首を、その振り上げた両の二の腕諸共、横薙ぎに斬り裂く。

 続けて、大太刀を太刀に替えて、別のオーガの首を刎ねたとき────ヴァルトさんの切羽詰まった声が響いた。

「ハルド!」

 振り返ると、ハルドがオーガによって右腕に剣を叩き込まれて、ショートソードを落としたところだった。

 オーガの剣は魔玄製の装備に阻まれてハルドの腕を斬り裂くことはできなかったが、骨を砕いたようだ。

「【疾風刃(ゲイル・ブレイド)】!!」

 ハルドにとどめを刺そうと振り下ろされた両手剣に向かって、私は威力を抑えた風刃を放った。風刃は両手剣を弾き、剣の持ち手であるオーガがその衝撃で仰向けに倒れる。

「【重力(グラビティ・)操作(オペレーション)】!」

 間髪入れずに、倒れたままのオーガとハルドに襲い掛かろうとしている別のオーガを、それぞれ重力で押さえ込む。

「ハルド、離脱しなさい!」
「くっ…、申し訳ありません」

 私が叫ぶと、ハルドは悔し気に顔を歪めて、腕時計に施された【往還】を発動させた。魔術式が足元に展開して、ハルドの姿が掻き消える。

 重力を科せられて地に伏せた2頭のオーガに氷刃を放ちながら、私はセレナさんに【念話(テレパス)】を入れた。

≪セレナさん、ハルドが抜けた分、ディンド卿とヴァルトさんの援護をお願い!≫
≪はい…!≫

 迫り来るオーガに太刀を振るいつつ、他の仲間たちを窺う。

 戦い始めて、結構、時間が経っている。敵は個体としては大したことはないが、とかく数が多い。コボルトは36頭、オークは134頭、オーガは108頭まで減った。合わせて、350頭近く討伐したことになる。

 普通の人間であるアーシャとハルドは、【魔力循環】で身体能力を強化していたとしても、疲労で動きが鈍ってきてもおかしくはない頃合いだ。

≪リゼ、ディンド───まだオーガの変異種と魔獣は残っているが、魔物は大分減った。挟撃を開始させようと思うが、どうだ?≫

 同じように状況を見ていたらしいレド様から【念話(テレパス)】が入る。

 私は太刀でオーガの首を落としながらも、ネロの【索敵】で得た情報を再度、確認する。

 オーガもオークも殲滅が不可能ではない数まで減らせた。
 それに───魔物だけでなく、魔獣やオーガの変異種も私たちを囲っている状態だ。今なら、どちらの方向からも背後を|
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