暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─設定&こぼれ話─
こぼれ話Cそれは───こうして始まった
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

※※※


 部屋に光が差し込んだのを感知して、ノルンがスリープ状態から起動状態へ移行すると────隣で眠っていた、ノルンの主の一人であるリゼラが起き上がって、ノルンに向かって微笑んだ。

「おはよう、ノルン」
「おはようございます、(マスター)リゼラ」

 リゼラが自分を見て、自分に微笑んで、言葉をかけてくれるこの瞬間が────ノルンは、何よりも大好きだ。

 リゼラは、お風呂場に設置された【除去(クリアランス)】で身綺麗にしてきてから、【換装(エクスチェンジ)】で自分の着替えをさっさと済ませると、ノルンに向き直った。

「さてと、ノルンも着替えようか」

 リゼラが【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で、木造りの小さいハンガーラックを取り寄せる。

 ハンガーラックには、子供服が幾つもかけられていた。

「今日は、どれを着る?エプロンドレスも捨てがたいけど…、こっちの“セーラーカラー”のワンピースも可愛いよね」

 ノルンの服は、すべて───ルガレドとリゼラの配下であるラナが作ってくれたものだ。

 ノルンは、ラナも大好きだ。

 実体で初めて会ったとき、ラナは、ノルンを「可愛い」と言って抱き締めてくれて、その場で服を作ってくれた。

 それ以来、ラナは次々にノルンの服を作ってくれて、ノルンの服は着々と増えつつある。

「どれがいい?ノルン」
(マスター)リゼラが選んでください」
「いいの?」

 ノルンが頷くと、リゼラは微笑んで、“セーラーカラー”とやらのワンピースを手に取った。

「昨日はエプロンドレスだったから、今日はこっちのワンピースはどう?」
「はい、そうします!」

 ノルンは、【換装(エクスチェンジ)】を真似て、リゼラの手に取られたワンピースに替える。今まで着ていた寝間着代わりのワンピースは、リゼラ専用の【異次元収納庫】へと送る。

 少しずつ増え始めたノルンの持ち物は、リゼラの【異次元収納庫】に入れさせてもらっているのだ。

 リゼラは、そのうちノルン専用の収納庫を創ろうと言ってくれているけれど───ノルンは、リゼラがこうやって構ってくれるなら、今の状態でも良いと思っている。


「ふふ、思った通り可愛い。ラナ姉さんに作ってもらった甲斐があったな」

 リゼラがそう言って笑みを零したので、ノルンも嬉しくなった。

「髪型はどうしようか?ツインテール…、ポニーテールでもいいな。三つ編みも捨てがたい…」
(マスター)リゼラと同じがいいです!」
「ふふ…、それじゃ、お揃いにしようか?」
「はい!」

 リゼラの今日の髪型は、それぞれ左右の耳の上の一房を編んで、その2本の三つ編みを後ろでまとめてバレッタで留
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ