暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─設定&こぼれ話─
こぼれ話@トンカツリベンジ
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
すので」

「「は?」」

 レド様とレナスの声がハモる。

「ですから────レナスの方はルガレド様が手伝ったトンカツですが、自分のはリゼラ様が作ってくださったトンカツですので」
「あっ、てめぇ、それでさっき…!」

 ああ、それで、そっちのトンカツの方が良かったんだ。

 でも、別にレド様が手伝ってくれたからといって、変わりはないと思うけど。レド様は作り慣れていないから、不安だったのかな。

 それにしても────

「すごいですね、ジグ。上からずっと見ていたとはいえ、よく見分けられましたね」

 私たちの護衛のために、ずっと見ていたからって────すごいと思う。

「ええ、まあ。そちらはリゼラ様が作ったもので、こちらはルガレド様が手伝ったものです」

 ジグは満更でもなさそうに───私とレド様のトンカツに関しても、教えてくれた。

 レド様の席に置いた方が、レド様が手伝ってくれたトンカツで───私の席に置いた方は、私が自分一人で作ったトンカツらしい。

「それでは、有難くいただいていきます、リゼラ様」

 ジグはそう言い置いて、さっさと厨房を出て行った。

「あ、待て!ジグ、この野郎…!────リゼラ様、いただきます!」

 レナスもそう叫びながら、ジグの後を追って出て行く。

「ふふ…」

 仲が良さそうな二人に、思わず笑みが漏れて────私は、はっとする。
 あ、でも、ジグもレナスももういないし、大丈夫だよね…?

 恐る恐るレド様を伺うと────レド様は、眉を寄せて、何だか難しい顔をしている。

「あの…、レド様…」

「リゼ────もしかして…、あの二人の前では笑わないようにしているのか…?」

 言いかけた私を遮って、レド様が訊く。どう答えればいいのか解らないでいると────レド様の表情が曇った。

「すまない、リゼ。俺のせいだよな…。俺が────サンルームで、あんなことを言ったから…」

「!」

 口を開こうとした私を、レド様が制した。

「リゼ────そんなことはしなくていい。ジグとレナスの前でも───他の誰かの前でも…、笑いたくなったら笑ってもいいんだ」

「でも…」
「大丈夫だ。もう不安になったりしない。それに、それよりも────俺のせいで、リゼが我慢することの方が嫌だ。だから────笑うのを我慢したりしないでくれ」

「でも…、本当に────大丈夫ですか…?」

「ああ、本当に大丈夫だ。リゼが一番大事なのは…、ジグでもレナスでもなく、他の誰でもなく────俺なんだろう?だったら───リゼが誰に笑いかけようと、大丈夫だ」

 レド様は、私の頬にその大きな手を添えて、朗らかに笑った。
 その笑顔に嬉しくなって──
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ