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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#8
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したら黙る────と、とあるギルドマスターが言っていたが、さもありなんとしか返しようがない。

 先程の緊急会議での貴族や騎士たちの反応が、まさにそうだった。

 リゼラの悪評を鵜呑みにしていた連中の───特にリゼラの実父であるイルノラド公爵の呆気にとられた様子を見て、ガレスは胸の()く思いだった。

 スタンピードに始まって、魔獣たちの狙い───それに、あの石壁の件を滔々(とうとう)と説くリゼラに、貴族や騎士たちは、ただただ圧倒され────魅入られているように見えた。

 これで、あの場にいた連中のリゼラに対する印象は、確実に変わったはずだ。



「もう────“孤高”ではないな」

 バドが呟いた。

「確かにそうだな。今のリゼには並び立つ存在がいるからな」

 不遇の第二皇子────ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダ。

 彼ももう“不遇”ではないだろう。伴侶となるべき存在を手に入れて、ようやく檻の中から踏み出すことができた。

 ルガレドもまた、並外れた才覚の持ち主だ。

 リゼラ同様に単独で魔獣を討伐できる実力があるだけでなく、リゼラに引けを取らない洞察力と考察力がある。

 加えて、皇宮で見せた────あの気迫。

「さしずめ────“戦神ガルヴァ”とその妻である“戦女神ティシャ”といったところか」
「そりゃ、ぴったりだ」

 バドの言葉に、ガレスは笑みを零して頷く。

 これから臨む────かつて経験したことのない異様な戦い。けれど、ガレスに不安はなかった。

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