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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#1
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れなのに────ラナ姉さんが神聖術を使わなければならないような大ケガをした?

「リゼラ様、いかがなさいましたか?」
「朝食の後片付け中なのに、ごめんなさい。今、ラナ姉さんから連絡があって───ラギとヴィドが、ケガをした件で話があるみたいなんです。ちょっと孤児院へ行ってきます。その間───レド様をお願いできますか?」
「かしこまりました」

 ラムルは私に恭しく返答すると────天井に向かって声をかけた。

「ジグ、レナス───リゼラ様に随行するように」

 ラムルの言葉を受けて、ジグとレナスが傍に現れる。

「いえ、通常通り───レナスだけついて来てもらえれば大丈夫です。ジグはレド様についていてください」

 私が口を挟むと、ラムルは(かぶり)を振った。

「旦那様には、私とカデアが付き添い───お護り致します。寝ている間にリゼラ様の身に何かあれば───それこそ、旦那様はお心を痛めることとなります。ですから…、どうかお聞き入れください」
「……解りました。では───二人とも、一緒に来てくれる?」
「「かしこまりました」」

 私は、静かに眠り続けるレド様に一度眼を向けて────ラムルに視線を戻した。

「ラムル────レド様を頼みます」
「お任せください」


◇◇◇


 姿をくらましたジグとレナスを伴って孤児院に転移すると、今日は、白炎様ではなく───ラナ姉さんが待ち構えていた。

 ラギとヴィドは、この北棟の個室で一緒に休ませているという。

「リゼ───勝手なことしてごめんなさい」
「気にしないで。レド様にも私にも許可を求めることができなかっただけで───ラナ姉さんの身勝手で二人をこの拠点に入れて、神聖術を使ったわけではないことは、ちゃんと判っているから」

 私の言葉を聴いたラナ姉さんの表情が緩んだ。レド様には───目覚められたら、私から報告しよう。

 ラナ姉さんに案内されて、二人が休んでいる個室に入る。ラギとヴィドはすでに起き上がっていて、並んでベッドに腰かけていた。

 元気そうな二人に、私は安堵の息を吐く。念のため、【心眼(インサイト・アイズ)】で確認してみたが、どちらにも異常はないようだ。

「二人とも、無事でよかった。それで───昨日、何があったの?」

 私が水を向けると───ラギとヴィドの表情が強張り、ヴィドが口を開いた。

「昨日は…、朝に言った通り───ボクたち、ヴァムの森で採取をしていたんだ。魔物も見当たらなかったし、奥まで入っていったんだけど────」

 ヴィドは、そこまで話して言葉を止める。

 困惑しているような表情で───その先は、話したくないというより、どう話せばいいか判らないといった感じだ。

 ヴィド
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