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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#13
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ルが首を傾げた。

 確かに、どうしてレド様では調べられなかったのだろう。ただ魔術式を判別するだけなのだから───【解析(アナライズ)】どころか、【鑑識(ジャッジメント)】でも判りそうなものだけど。

「もしかして────閲覧制限がかけられてる…?」

 【禁術】と指定されている魔術だ。その存在自体が秘匿されていてもおかしくはない。

 でも、それならば何故、私には閲覧できるのか────疑問が出てくる。

 この施設の管理者であることは───レド様も同じなのだから、理由にはならない。

 他に何か、考えられる要因は────

「あ────私が、“超級魔導師”だから…?」

 後でノルンに確かめてみよう。おそらく、【案内(ガイダンス)】であるノルンならば知っているに違いない。



 【心眼(インサイト・アイズ)】で視る限り、ディンド卿、アーシャ、ヴァルトさんは“催眠状態”までは陥っていないようだった。
 今は朦朧としているが、しばらくすれば意識がはっきりするはずだ。

 私がそう告げると、セレナさんが目を潤ませて呟く。

「良かった…」

 ハルドも安堵しているのが覗えた。

 そこに、バレスとデレドを抱えたラムルが戻って来た。ラムルは、二人を床に下ろすと────神妙な表情で口を開く。

「一人は魔力切れで気を失っているようです。もう一人は────事切れておりました…」

「デレド…」

 セレナさんがショックを受けたような表情で、呟く。亡くなってしまったのは、デレドのようだ。ハルドも血の気が引いた顔で、デレドの亡骸を見つめている。

 バレスもデレドも、髪はろくに手入れがされておらずパサパサで、頬はこけていて────かなり酷い扱いを受けていたことは明白だ。

「いかがいたしますか、リゼラ様」
「ディルカリド伯爵とドルトは、おじ様───ロウェルダ公爵に任せます。バレスは…、お邸に連れ帰ります。その前に、バレスとドルトに応急処置をしておきましょう」

 バレスは、両手両足を失っている。食事や排泄など世話が必要だ。おじ様に負担をかけることになるし───そもそも、バレスは被害者である可能性が高い。私たちが預かった方がいいだろう。

 それに───こちらとしても、おじ様を介してではなく(じか)に、今回の件やこの地下施設の情報が欲しいところだ。


 魔物や魔獣の死体をアイテムボックスに収納し、ハルドの父と兄、デレドの遺体を隅に並べ終えたとき────ようやく、ディンド卿、アーシャ、ヴァルトさんの意識が戻った。

 ハルドとセレナさんには、バレスを連れて、先にお邸に帰ってもらった。

 ディンド卿たちには悪いが、ディルカリド伯爵とドルトを引き渡す手伝いをして
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