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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#4
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 地上と地下遺跡を分かつこの特殊な合板のせいで、地下施設の【転移門(ゲート)】を感じ取れないため、【往還】ではなく、お邸に設置してある【転移門(ゲート)】から跳ぶことにする。


◇◇◇


「ここが────リゼラ様が仰っていた古代魔術帝国の遺跡…」

 地下遺跡へと跳ぶと、皆、かなり驚いてはいたが────中でも一番驚愕した様子を見せ、そう呟いたのはディンド卿だった。

 かくいう私も、ネロの眼を通してすでに見ていたものの───この白い空間と宙に浮かぶ聖結晶(アダマンタイト)を実際に目にして、原初エルフが遺した“結界の間”とはまた違った様相に、ディンド卿ほどではないが驚きを覚えた。


「ノルン、ネロ、ヴァイス────ご苦労様」

 傍に寄って来たノルン、ネロ、ヴァイスを労うと、三者三様に喜ぶ表情が浮かぶ。

「それでは、ノルン───状況を報告してくれる?」

「はい、(マスター)リゼラ。この聖結晶(アダマンタイト)は、この地下施設を制御するものであり───現在は、完全に私の管理下にありますので、必然的に───私の主である(マスター)ルガレドと(マスター)リゼラが、この地下施設の主管者となります」

「解った。それで────この地下施設の状況は把握してるの?」
「いいえ、(マスター)リゼラ。【記録庫(データベース)】に全体図は存在していますが、この地下施設は7割が損壊しており、損壊した箇所の大部分が断絶しているため、現状すべてを把握することは不可能です」
「そう…」

 となると────【地図製作(マッピング)】をするしかないか。幸い、【不可知(アンノウアブル)の合板(・プライボード)】は壁には使われていないようなので、できるはずだ。

「リゼ、俺がやる」
「え?」
「【地図製作(マッピング)】をするつもりなのだろう?それは、俺がやる」
「ええっと…、それではお願いします」

 どの道、レド様に【千里眼】の使用をお願いしようと思っていたところだ。

 私のことを物凄く心配してくださっているようだし、ここはレド様にお任せした方がいいよね…。

「ノルン、この地下施設の【立体図(ステレオグラム)】を投影して」
「はい、(マスター)リゼラ」

 正面に、地下施設を模した半透明の立体図が現れる。私の想定は正しかったようで、円形を成している。

 レド様が【索敵】を発動し、周囲をゆっくり見回すと───徐々に立体図が様相を変えていった。大きさが大きさなだけに、瞬く間に、レド様の魔力がかなり減っていくのが感じ取れる。

「崩れた個所は埋め立てられているようですね…」

 ラムルの言う通り、崩壊した箇所の大部分は埋め立てられているみたいだ。
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