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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#3
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(マスター)リゼラ!」

 はりきるノルンを微笑ましく思いながら、私は続ける。

「それじゃ───ノルン。共に地下空間に行って、もし古代魔術帝国のセキュリティーシステムが作動しているようなら、その解除を───そして、できれば、権原の把握をしてきて欲しいの」
「はい、お任せください!」

「ネロ───ヴァイスとノルンを一緒に連れて行ってくれる?」
「わかった」

「ヴァイス───ネロとノルンの護衛をお願い」
「了解した、我が姫」

 ノルン、ネロ、ヴァイスに決して無理はしないように言い含めてから、送り出そうとして────ふと思いつく。このうちの誰かと感覚を共有することができないかな────と。

 今のところ、レド様以外の人と感覚や能力の共有はできていないけど、ここにいるどの子も私と繋がりが深い。験してみる価値はあるかもしれない。

 やるなら────ネロかな。

「ネロ、ちょっといい?」
「なあに?」
「視覚を共有させて欲しいの」
「いいよ〜」

 …これは、意味が解っていない気がする。まあ、まだできるか解らないし、とりあえず、やってみることにしよう。

 私は目を瞑って、自分の内側に感覚を集中させる。

 ネロとの繋がりを辿り、その存在を掴むと────ネロの視覚を共有させてもらうべく、【(シンクロナ)(イゼーション)】を発動させた。

「【(シンクロナ)(イゼーション)】」

 次の瞬間には、見上げるほどの巨大な───瞼を閉じて屈み込んでいる自分の姿が頭の中に浮かぶ。成功したみたいだ。

 瞼を開けると───自分とネロの視界が重なって見えて、眩暈を覚えた。これは、早々に送り出して、自分の視覚は閉ざしていた方がいいな。

「それじゃ、皆────お願いね」

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