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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#3
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たところ、現在、お邸を監視している者はいないとのことなので────お邸の外に出て、確認することにした。

 念のため、庭園とは逆側のお邸の陰に移動して、【認識妨害(ジャミング)】を発動させる。


「それでは────レド様。【千里眼】で、地面を視ていただけますか?」
「解った」

 レド様は頷いてから───俯く。しばらく地面をじっと視て、困惑したように言葉を零した。

「何も見えない…」

「何も───ですか?」
「ああ、何も」

 ディンド卿が、恐る恐る口を挟んだ。

「ルガレド様の【千里眼】で何も視えないとなると────地下には何もないということでは…?」

「いえ────逆です。もし、何もないのなら、虫や堆積物など、地中に何かしら視えるはずなんです。何も視えないということは…、レド様の眼帯のような───【千里眼】を遮断する何かが施されている可能性があります。
そして、そういった仕掛けがあるのなら────この下には視られたくない何かがあるということです」

 ディンド卿に答えてから、私はレド様に声をかける。

「レド様、そのまま【千里眼】で地面を視ていていただけますか」
「解った」

 私は【心眼(インサイト・アイズ)】を発動させると、レド様の【千里眼】と、【(シンクロナ)(イゼーション)】で重ね合わせた。

「ノルン、分析結果を投影して」
「解りました、(マスター)リゼラ」


不可知(アンノウアブル)の合板(・プライボード)
 複数の魔術を落とし込んだ魔水晶板(マナ・クォーツボード)と精霊樹の樹皮を合成させて創り出された合板。【千里眼】を遮断し、【地図製作(マッピング)】など探索系の能力や魔術、【解析(アナライズ)】などの魔術を弾くよう設計されている。


 いつもより少し時間がかかったが、ようやく分析結果が現れる。ディンド卿が驚いたのを感じた。

 しばらく粘ってみたが、やはり、これ以上は分析でも不可能なようだ。

 私は【(シンクロナ)(イゼーション)】と【心眼(インサイト・アイズ)】を解除する。

「レド様───【千里眼】を解いてくださって大丈夫です。ありがとうございました」

 レド様も【千里眼】を解いて、顔を上げる。

「リゼの言う通りだったな。それで、どうするつもりなんだ?」
「そうですね…」

 【測地】を使うつもりだったけど────この状態では【測地】で探るのは難しいかな。

 それならば────

「ネロ、ヴァイス」

 声に魔力を混ぜて、名を呼ぶ。

「呼んだ?」

 まず、ネロが足元に現れた。私は屈んでネロを撫でながら、口を開く。

「うん。ちょっとお願いがあるの。他
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