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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#3
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移門《リミテッド・ゲート》】は、2ヵ所は北門と南門の側の街道上───4ヵ所は皇都から外れる形で皇城の北側と南側に2ヵ所ずつ並ぶように設置されている。
一見では、6ヵ所すべてに規則性は見出せない。
「ちょっと待っていてくださいね」
私は、地図の倍以上の大きさの何も書いていない、前世の記憶から創り上げた“模造紙”を取り寄せる。
皇城を上にして地図を模造紙の中央部分の下寄りに置く。
次いで、墨果筆を取り寄せて───皇城を中心に、皇都がすっぽり入る大きさの円を描く。それから、その円が8等分になるように───皇城で交差させて4本のラインを引く。
「ほら、こうすると────すべての設置個所が、このライン上に来ます」
「本当だ…」
ディンド卿は眼を見開き、呟く。何故か、他の面々は当然というような表情をしているけど。
「おそらく、この皇都内にも【
限定転移門
(
リミテッド・ゲート
)
】の設置個所があると思われます。ほら、ここ───何か、思い当たりませんか?」
私は東西に引かれたライン上の皇都の東門に程近い箇所を指さす。
「ここは…、もしかして────孤児院の裏の雑木林か?」
「そうです。それと、ここも。ほら────自宅の裏にある雑木林の草刈りをして欲しいという依頼がありましたよね。あの依頼主の住所がちょうどここなんです」
「すべてライン上に並ぶな。確かに、これは────リゼの言う通り、この2ヵ所にも【
限定転移門
(
リミテッド・ゲート
)
】がありそうだ」
それも均等な距離で、シンメトリーになっている。
それに────これで皇都内に雑木林がある理由も説明がつく。
おそらく、【
限定転移門
(
リミテッド・ゲート
)
】の上に建造物を建てることのないように、雑木林にしたのだろう。
触るとかぶれる草が植えてあるのも、あの場所に人を近づけさせないためだったと考えられる。
「それでは、円形状の地下遺跡があるということなのか?」
「どうでしょうか。そうかもしれませんし、これは地下遺跡の上に建造された古代魔術帝国の都市の形なのかもしれません」
「ああ、なるほど────そういうことも考えられるのか」
レド様の問いに私なりの見解を述べると、レド様は納得したように頷いた。
「それで、どのように対の【
限定転移門
(
リミテッド・ゲート
)
】を辿るおつもりで?」
レド様に代わって、今度はラムルが訊く。
「そうですね。幾つか案はありますが────その前に、本当に地下に遺跡があるかどうか確認したいと思っています」
「確認───ですか?」
「ええ、確認です。─────レド様、協力していただけますか?」
「勿論だ」
◇◇◇
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