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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#1
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です。

 サンドウィッチは他にもあったけど、ジャムサンドだったり、小さくて量もそれほどなかったりで───軽食用というか、成人男性の朝食には向かないというか…。

「レド様…、近いうちにまた作って差し上げますから────今日は、エルとベルネオさんに譲ってあげてください」
「解った…」

 頷くレド様に申し訳ないと思いながらも、子供みたいに悲しむレド様をちょっと可愛く思いつつ────私は、皆にお茶を淹れた。


◇◇◇


「金髪のそこそこ顔立ちが整った若い男か…。おそらく───ゾアブラを護衛していた二人のうちの一人だな」

 エルから、劇場にエデルのことを聞き込みに来たという男の人相を聞いて────レド様が呟く。

「その可能性が高いですね…」

 ゾアブラを護衛をしていた二人は、エデルの顔を見ている。護衛していた本人が探りに来てもおかしくはない。

「それで、レムトはどうしていますの?」

「今はリゼの───ファルリエム子爵家の執事として、俺の邸にいる」
「ルガレドお兄様の執事でなく、リゼの───ですか?」
「俺の執事はラムルだけで十分だからな…」

 レド様は溜息を()きながら、答える。

「まあ、レムトなら、執事も熟せるとは思うけど────レムトの様子はどうなの?」

 エデルが私の執事と知ったからか、エルは今度は私に訊ねる。

「確かに、執事の仕事は教えるまでもないみたい。だけど───あの人…、どうして、あんなに危機感がないのかな」

「それは───仕方がないと思うわ。生家で色々あったのだと思うし…」

 エルが苦笑気味に答えると、レド様が思わずといった風に口を挟んだ。

「エルは、エデル───レムトの生い立ちを知っているのか?」
「いえ。レムト本人に聴いたわけではなく、推察ですけれど」
「推察?」

「ええ。レムトは────おそらく、アルドネ王国の悪名高きグルワイト公爵家の縁者ではないかと思うのです」

「何故────そう思うんだ?」

「わたくしがアデミル=サライフだったとき、当時のグルワイト公爵に面識があったのですけれど────レムトは、髪色、眼の色、顔立ちに至るまで、あの公爵にそっくりですのよ。あれで血縁でなかったら────逆に驚きですわ」

 エルの言葉に私は衝撃を受ける。

 エデルが───グルワイト公爵家の縁者?
 エデルは“イーデル”と名乗った。私の直感通り、あれが本名なら────

「まさか────イーデル=ファイ=グルワイト…?」

 私の口から、ぽろりと言葉が零れ落ちる。

「“グルワイト公爵家の忌み子”────」

 思わず零れた私の言葉を受けて、レド様の眼が見開かれた。

「リゼ────何故それを
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