暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#9
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ぶ無能な老害貴族どもは、こぞってその甘言に縋りついたが───ウォレムには、本気でそれを信じる者の───信じていた自分の両親の気が知れない。

 あれは繁栄をもたらすどころか────国を崩壊させるだけの有害な女だ。

 そもそも───そのバナドル王の側妃が“青髪”だったというのは、何処から得た情報なのか。

 青髪が正しかったとしても、エルダニア王族の血筋でないベイラリオ侯爵家に何故現れたのか。

 信憑性など何一つないのに────それを信じ込んだ、いや信じたい老害貴族どもが、ジェミナの手先となって国を荒らしている。

 今回は利害が一致しているから、手を組んではいるが────ディルカリドだって、あの老害貴族どもと大して変わりはない。

 ディルカリドの場合は、ジェミナなどではなく────自分の死んだ長男こそが、そのバナドル王の側妃の再来だと信じているようだった。

 その死んだ長男は濃紺の髪色を持ち、膨大な魔力量を誇っていたという。

 それを────あの偽物の息子に殺されてしまったというのが、ディルカリドの主張だ。


(バカバカしい…。どいつもこいつもバカの極みだ)

 心の中でそう吐き捨てたウォレム=アン・ガラマゼラは────自分が、ゾアブラだけでなく、その老害貴族どもやディルカリド元伯爵とも、同じ穴の狢となってしまっていることに、気づいていなかった─────

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ